繊維は新材料 テクテキスタイル2019(16)/横編み機、自動機も産資

2019年06月18日 (火曜日)

 世界最大の産業用繊維・不織布の国際見本市である「テクテキスタイル」は川上から川下までの繊維企業に加え、繊維機械メーカーも数多く出展する。イテマ、ストーブリ、ピカノール、カール・マイヤー、ディロなど衣料用繊維でも著名な欧米の繊維機械メーカーが顔をそろえる。

 日本の繊維機械メーカーも出展する。ホールガーメント(WG)横編み機でよく知られる島精機製作所もその1社で、継続出展する。イタリア子会社のシマ・セイキ・イタリアとしての出展で、今回展では成型編み機「SVR123SP」の実機を展示した。やはり、稼働する実機があると、目を引く。同社ブースも会期中、開場と同時に多くの来場者が訪れていた。

 横編みによるカーシートや複合材料の基材、WGを採用するイタリアの自転車用シューズ製造、DMTなども紹介したが「特にカーシートへの関心は高い」と言う。ウレタンなどのクッション材が不要な点は面白い。まだ採用に至っていないものの「需要家の開発テーブルには乗っている」そうで、自動車の軽量化という面からも将来の可能性を感じさせた。

 同社もファッション衣料だけでなく、産業資材やカーシート、家具などへの提案も強める一方、今回展はWGによるスマートウエアも提案した。日本ではミツフジ(京都府精華町)が昨秋立ち上げた福島工場(福島県川俣町)にウエアラブルウエア用としてWG横編み機を導入したのは有名だが「欧州はスマートウエアへの関心も高い」とし、導電繊維を通すため、チューブ部分を形成したウエアなども紹介していた。

 繊維機械メーカーではJUKI(ポーランド子会社として)がテクテキスタイルに初出展した。これまで併催する縫製機器と関連技術の国際見本市「テックスプロセス」のみだっただけに注目されたが、出品したのはバグフィルターの自動機「SFL―2000」シリーズ。スウェーデンのACG・キナ・オートマティックとの協働によるもので、不織布などの原反を縫製または溶着し、裁断。筒状のバグフィルターにする一貫設備だ。実機稼働させたこともあり、ブースは多くの来場者が見入っていた。

 繊維機械も衣料用だけでなく、産業用繊維・不織布など非衣料も踏まえて捉える必要があると改めて感じさせた。