クローズアップ/ユニチカトレーディング 機能素材営業部長 福田 晃久 氏/インドネシアオペレーション加速

2019年06月26日 (水曜日)

 ユニチカトレーディングでは2018年度(19年3月期)、スポーツや婦人向けの販売が苦戦したため、衣料繊維事業の業績は前年割れにとどまった。スポーツでは19年度、海外生産や製品OEMをリンクさせた取り組みで巻き返しに乗り出している。4月1日付で機能素材営業部長に就任した福田晃久氏に当面の戦略を聞いた。

  ――ほぼ20年ぶりのスポーツへの復帰ですか。

 そうなります。かつて業界にはさまざまなアイテムが存在し、それらに向けて国内生産した生地をわれわれはデリバリーしていました。ところが、米の飯だったトレーニングウエアの生産がほぼなくなっていることにびっくりさせられました。

  ――最近の景況をどう見ていますか。

 ゴールデンスポーツイヤーズを迎えている割に、市況が上向いてきたとは感じられません。お客さんからは最近、開いた展示会からやっと盛り上がりそうな雰囲気が見えてきた、と聞いてはいますが。

  ――今年度の重点課題は。

 遅れていた海外生産の拡大を重視しています。スポーツでは、インドネシアでの取り組みを特に強化しています。ユニチカトレーディング・インドネシアと連携し、現地の協力工場でポリエステル100%の織物、ニットを作り、製品OEMにもつなげるビジネスをどんどん進めているところです。今のところは定番品のテキスタイル売りが中心です。アウトドアやアスレ向けの商材を主にベトナムにデリバリーしています。今後はユーザーからの要望に合わせて、差別化素材の生産にも広げていきます。

  ――5月中旬に20秋冬向けの素材展を開催しました。

 環境配慮型のポリエステルを「エコフレンドリー」ブランドに統合し打ち出しました。耐久撥水(はっすい)「タクティーム」、吸汗速乾「ルミエース」、UVカット「こかげマックス」などをラインアップしています。マイクロプラスチック問題に着目し、起毛していないのに起毛品並みの保温性を持たせた「エアーホールド―NB」も新たに開発しました。

  ――19年度の販売計画は。

 当初は5%アップのつもりだったのですが、今のところスポーツアパレルからは思いのほか数字が出てきていません。しかし、海外生産の充実で少なくとも前年増を目指していきます。