ジェトロ「TX輸出展示商談会」/サステイナブル素材探す/職人技、備蓄機能も評価

2019年06月27日 (木曜日)

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催する20秋冬に向けた「欧米向けテキスタイル輸出展示商談会」が25日から2日間、ジェトロ東京本部(東京都港区)で開催された。欧米から招かれた6ブランドが輸出企業54社と商談した。海外バイヤーは日本の伝統技術を駆使した生地や、備蓄生産システムを高く評価。サステイナブル(持続可能な)素材を探すブランドも目立った。

 今回のバイヤーはフランス「ディオール」、イタリア「OAMC」、英国「ユーマストクリエイト」と、米国の「ケイト」「マークジェイコブス」「レイチェルコーミー」の計6ブランド。

 25日午前の部には9社が出展した。丸井織物(石川県中能登町)は「国際環境認証GRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)を取得したポリエステルのシャツ地や、綿ライクなセットアップ向けポリエステル生地」が好評だった。ユー・ティー・ケー(東京都中央区)は「婦人向けでは透け感のあるテープ刺しゅう、紳士ではジャカード織物が注目された」、宇仁繊維(大阪市中央区)は「薄地に反応。紳士でも婦人物ぽいものが選ばれた」とそれぞれ話す。

 これまで欧米バイヤーは日本生地の品質を評価するものの、価格、ロット、納期に課題があると指摘していた。今回のバイヤーは「備蓄販売ならロットや納期に不安がない」と言う。日本の職人技を駆使した生地、サステイナブル素材への関心も高かった。

 ジェトロは、この商談会を海外展示会に連動させる。7月9~11日のイタリア「ミラノ・ウニカ」(MU)への出展も支援。今年12月初旬の商談会(大阪/福井)は、来年1月の米国・ニューヨークの「ジャパン・テキスタイル・サロン・イン・NYC2020」、同2月のMUにつなげ、「点ではなく、線、面にして商談成果を上げる」と言う。

 海外バイヤーは27日に鈴木晒整理(浜松市)とカネタ織物(静岡県掛川市)を訪問。28日にはあいち国際ビジネス支援センター(名古屋市中村区)で名古屋商談会(23社参加)を開く。

《海外バイヤーのコメント》

〈「ユーマストクリエイト」デザインディレクター/フレイザー・モス氏〉

 日本の工場とは15年間の取引。納期やロットの事情は理解している。価格は高くても、伝統的で職人らしい味は、欧州にないもの。リサイクルのウールやコットンなど環境を意識したサステイナブル生地の提案を好感する。

〈「レイチェルコーミー」デザイナー/エベリン・タオ氏〉

 日本の品質は高く、備蓄販売は使いやすい。品質の良いサステイナブル素材を探すが、GRS認証のポリエステル生地もあった。ブランドとして縫製工場の労働環境も気に掛けている。フェイクファーを使うが、扱い量はまだ少ない。

〈「マークジェイコブス」生地開発ディレクター/シャーロット・ルーチャー氏〉

 この商談会は日本素材を幅広く見られるのが良い。硬く厚いコットン生地が、カジュアルやビンテージに使えそうだ。納期も少しずつ短納期化されてきた。当社はLVMHグループとして、できるだけBCI(ベター・コットン・イニシアチブ)コットンを使用する方針。農家の労働環境改善も意識している。