帝人フロンティア/企業別注で巻き返し輸出市場の開拓強化

2019年06月28日 (金曜日)

 帝人フロンティアのユニフォーム部は2019年度(20年3月期)、企業別注での拡販を計画する。生産スペース不足から昨年は大型案件を受注することができなかったとし、北陸産地に新たなスペースを設けることで企業別注を受けられる体制作りに力を入れる。

 同社によると、「作り場がなかったため、企業別注の大型案件を受注できなかった」(門脇秀樹ユニフォーム部長)ものの、18年度は備蓄を主体とするワークウエア向けの販売が好調で、ユニフォーム事業全体では前年実績をクリアできた。

 19年度は、企業別注での巻き返しを計画しており、同社の糸売り部隊が取り組んできた北陸産地数社との協業に着手。3千~4千反(1反=50㍍)規模の受注でも難なくこなせるような体制を早急に構築したいと言う。

 病院白衣、食品白衣での取り組みにも力を入れている。タイから供給してほしいとの要望がユーザーから寄せられており、ポリエステル織物を製造するタイ・ナムシリ・インターテックスを駆使したオペレーションでこれらの要望に応えていく。

 輸出市場へのアプローチにも乗り出した。東南アジアで官需の開拓を実現しており、ワークウエア向けにポリエステル100%による定番織物を販売中。「さまざまな企画を用意している」と話し、今後は差別化素材によるビジネスも加え一定規模への育成を目指す。

 国内市場では、ワークウエア向けに開発したメカニカルストレッチ織物「ラクラクワーク」を打ち出すとともに、エコ関連の商材を拡充。ラクラクワークでバイオ原料によるポリエステル「プラントペット」との複合企画をラインアップする。

 4月下旬に東西で開催した20春夏向けのユニフォーム内見会では、出展素材の80%にエコ素材をミックスするとともに、SDGs(持続可能な開発目標)の17のアイコンで戦略素材群をアピールした。