ひと/シーユーピーの社長に就いた伊藤 孝恭 氏/営業で培った能力生かす

2019年07月04日 (木曜日)

 菅公学生服グループのユニフォームメーカー、シーユーピー(岡山市)の社長に6月3日付で就いた。42歳という若さでの社長就任。語り口は冷静だが、「負けず嫌いな気持ちがある」と自身の性格を説明するように、内面の熱さを感じる。

 大学卒業後、2001年に尾崎商事(現・菅公学生服)へ入社。高校から大学までアメリカンフットボールをやっていたこともあり、卒業後はスポーツ関係の仕事に就きたいという思いで就職活動を行っていたところ、学生服のほかにスクールスポーツウエアも扱う尾崎商事と出会い、入社した。

 今までやってきた部活動やアルバイトの経験、自分の性格を考えると「営業の仕事が向いていると思った」が、配属されたのは総務部人事課。社会保険の手続き、給与計算といった事務的な仕事や採用業務など、営業とは畑違いの仕事を経験した。

 しかし、新卒採用の説明会では学生のニーズに合わせた情報を提供するよう心掛けるなど、「今から考えると、採用活動は営業の仕事に通じるものがあった」。

 シーユーピーへの異動が決まったのは06年。「将来的にはどこかの営業所で営業をやるのだと思っていただけに面食らった」と当時を振り返る。予想外の形で営業職に就いたが、入社時から希望していた職種でもあり、仕事にまい進。営業の仕事で印象に残っていることを尋ねると、「プレゼンをし、初めて提案を受け入れてくれた時のことは忘れられない」と言う。

 社長就任については、田原正彦社長(現会長)から4月中旬に告げられた。16年に常務になったばかりでもあり、「もうちょっと先だと思っていた」と、シーユーピーへの異動と同じく寝耳に水だった様子。

 社長になってからの展望を問うと、「営業一筋でやってきたため、まだ会社の中で知識が不十分なところはあるが、先任が作った体制をうまく生かしながら会社を運営していきたい」と話す。営業時代に生産背景が時代とともに大きく変化してきたことも肌で感じてきた。「今後も時代の変化に対して意識を強く持つ」と強調する。

(秋)

 いとう・たかよし 2001年尾崎商事(現・菅公学生服)入社、総務部人事課に配属。06年シーユーピー東日本営業部販売課に異動。12年東日本営業部販売課長、14年東日本営業部長、16年常務を経て社長に就任。埼玉県出身。42歳。趣味は魚釣り。妻と息子、娘2人の5人家族。