帝人コードレ/フィルムタイプ拡販/光透過革調表皮材を開発

2019年07月08日 (月曜日)

 帝人コードレは2019年度(20年3月期)、人工皮革「コードレ」の販売で主力のスポーツシューズ向けを伸ばす。フィルムタイプの販売が好調に推移しており、サッカーシューズのトップゾーンでのシェアアップを目指す。同じフィルムタイプの応用で開発した光透過革調表皮材の完成を急ぐ。

 同社はコードレをシューズやボールなどのスポーツ用途を主力に展開しており、18年度は年間を通じてのフル操業・フル販売を達成した。

 スポーツシューズ向けでは、合繊ニットにフィルムやソールを張り付けて作られる新しいサッカーシューズの製造方法に対応し開発したフィルムタイプの販売を3~4年前にスタートさせた。

 つま先の摩耗強度、ベースクロス(合繊ニット)への追随性、剥離強度などに優れている点が評価されていると言い、海外ブランドからの旺盛な引き合いを背景に、18年度で年商の30%前後を占める大型商品に育成。今後もサッカーシューズを中心とするトップゾーンへの売り込みを強化し、フィルムタイプの拡販に取り組む。

 通常のコードレでは、基布に再生ポリエステル「エコペット」を使い無溶剤で仕上げるエコタイプの販路をスポーツシューズ以外にも広げるための取り組みを重視。設備の一部改良でエコタイプを安定的に増産できる体制作りを進める。

 同社はシフトブーツ向けやハンドル向けの販売にとどまる自動車関連用途への本格参入を中長期の課題に位置付け、先に行われた「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」に光透過革調表皮材を参考出品した。

 シューズ向けに販売するフィルムタイプを応用。自動運転の普及をにらみ開発した新商品で、同展ではカーシート素材として求評した。ドアトリムやインパネ素材としても使える。

 コネクテッドカーの車室内に多くの情報を表示するツールとしてのスペックインを目指しており、人とくるま展では多くの来場者からの注目を浴びた。

 帝人グループは19年度で中計最終年度を迎えている。帝人コードレは海外での造面加工に意欲を示し、海外加工に踏み切るのか踏み切らないのか、どこと組むかなどについて今年度中に結論を出し、次期中計に織り込みたいという考えを示す。