三菱ケミカル/炭素繊維複合材料を増強/伊CPC社に設備移設

2019年07月12日 (金曜日)

 三菱ケミカルは44%出資するCPC社(イタリア・モデナ市)の隣接地に、炭素繊維複合材料SMC(シート・モールディング・コンパウンド)の製造設備を新設する。

 三菱ケミカルが開発したSMCは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間基材の一種で、長さ数センチにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。

 プレス成形により短時間で部材に加工することができるほか、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させた中間基材プリプレグよりも複雑な形状の部材を成形できるのが特徴という。

 欧州では、高級車メーカーを中心とする複数社から材料認定の取得を受けるためSMCの開発を進めており、今後の採用増が期待されるという。

 旺盛な需要に応えていくため、ドイツに構えていた設備をCPC社の隣接地に移設し生産能力を増強。2020年9月の稼働を計画する。

 モデナ市は伝統的に最先端のエンジニアリング力を持ち、欧州の自動車関連顧客へのアクセスにも優れた立地にあり、経験豊富な人材を多数、輩出している。