「MU20秋冬」閉幕/各ブースで手応えの声/自分流の輸出の形も必要に
2019年07月16日 (火曜日)
「ミラノ・ウニカ(MU)20秋冬」が11日、3日間の会期を終えて閉幕した。日本コーナー「ザ・ジャパン・オブザーバトリー(JOB)」の来場者は、2月展(20春夏)と比べて若干少ない印象だったが、トップブランドの買い付け担当者の姿は多く、「内容の濃い話ができた」と手応えを示す企業が目立った。ただ、欧州ファッション市場は商況が厳しく、「従来の手法では輸出は難しい」といった声も聞こえてきた。(ミラノ=桃井直人)
日本貿易振興機構(ジェトロ)とともにJOBを主催した日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)によると、MU全体の来場者数は、2日目終了時点で前年並みだった。米国とフランス、英国からの来場が増え、イタリアの来場は微減。イタリアファッション市場の低迷が影響しているとみられる。
JOBの訪問者数についてJFWは「2月展と比較すると若干減ったのではないか」と推測する。しかしながら「トップメゾンに来場を呼び掛けたところ、初日、2日目ともに多くのブランドが訪れた。日をまたいでの再訪もあった」と言うなど、実りは少なくなかったようだ。
初日から買い付け担当者らの姿でにぎわったのがスタイレムで、商談件数も最上位だったとみられる。「備蓄販売が入口になっているが、評価されているのは商品力や総合力。日々の営業や細かなフォローのたまもの」とし、「顧客の期待を感じる。その期待にこれからも応える」と強調する。
初出展企業も健闘した。製織や整理加工などを一貫でこなす東播染工(兵庫県西脇市)は「初日からの2日間で商談件数は50件以上。レザーの表面感を綿で表現した『ピッグスキンコットン』シリーズが人気」を博した。織物製造の織工房風美舎(福井市)が提案したカラミ織りも買い付け担当者に注目された。
和歌山県のニットメーカーなど3社が名を連ねたわかやま産業振興財団のブースもにぎわいを見せた。カネマサ莫大小(和歌山市)は、織物ライクなハイゲージニットが好評。森下メリヤス工場(紀の川市)は手染めのキッドモヘアガーゼ生地が評価を獲得した。
今回特に目を引いたのは無地。わかやま産業振興財団のブースに出展した吉田染工(同)は、加工で変化を持たせた無地に人気が集まった。織物製造の小林当織物(群馬県桐生市)はナイロン100%の無地が、宇仁繊維は薄地のプレーンなタイプがピックアップされた。
商談は活発だったが、欧州市場の低迷を懸念する声もあり、「このままでは輸出拡大は困難」との指摘も出てきた。支持を得ている備蓄販売に対応する企業が増え、高密度織物を販売するスタイルテックス(東京都中央区)は4品番でサービスを始め、東レはスエード調人工皮革「ウルトラスエード」で「対応できるものは応じる」と言う。
ある出展者は「日本に期待されているのは高付加価値だが、高付加価値と高コストを一緒にしている企業が多い」と指摘。その上で「備蓄販売などのサービスも高付加価値と言え、そのほかの機能も高付加価値になる。これからは自分流の生地輸出の構築が求められる」と強調する。




