MUに見るサステイナビリティー/工程の透明化が重要

2019年07月17日 (水曜日)

 サステイナビリティー(持続可能性)への取り組みや考え方は、まだまだ戸惑いや混乱が見られるものの、ここ数年で急速に理解が深まりつつある。このほど開催された「ミラノ・ウニカ」(MU)の「サステイナビリティー・プロジェクト」に参加した先進企業は全てを透明化し努力を数字で示してみせた。

 オルメテックスは1952年に設立されたファミリー企業で、「モンクレール」「ドルチェ&ガッパーナ」「ヒューゴ・ボス」「マックス・マーラ」「ゼニア」「ルイ・ヴィトン」「バーバリー」など世界中の有名デザイナーと大きなコラボをしてきた。取引先と一緒に生地だけでなくラベルも開発し、そのバーコードにはトレーサブル(追跡可能な)データを入力。糸がどこで作られ、どこで織られ、裁断や縫製はどこか。この詳細な工程が、ラベルに近づけたスマホの画面で確認できる仕組みの開発に2年前から取り組んだ。

 ボット・ジュゼッペは取引先からの意向と市場動向に配慮して、5年前からサステイナビリティーに取り組んだ。カシミヤ、ウール、シルクなどのトレーサビリティーをカタログで説明。特定された農場の土壌から管理し、例えば糸がどこで育成された羊から作られているかまで透明化している。

 ユーロジャージーは2007年にサステイナビリティーの試みをスタートさせた。「リサイクルの糸を作るために、通常の作業より多く水やエネルギー、薬品を使うことは持続性とは言えない。1メートルの糸を作るのにどれだけの負荷がかかるかを明確にする必要がある」と話す。

 同プロジェクトに参加した各社は年間投資の内で5%強から10%弱の金額をサステイナビリティーのために割いているという。

 何からサステイナビリティーを始めるかは各社の都合による。各社が「できるところから一歩を踏み出すことが大切であり、サステイナビリティーに取り組まなければ私たちの未来はない」と口をそろえた。

(インプレス代表 川上淑子)