「MU20秋冬」生地輸出の新たな形(前)/問われる日本企業の戦略
2019年07月18日 (木曜日)
9~11日にイタリア・ミラノで開催された服地見本市「ミラノ・ウニカ(MU)20秋冬」。日本コーナー「ザ・ジャパン・オブザーバトリー(JOB)」の来場者は2月展と比べて若干少ない印象を受けた。日本企業に魅力がなくなったのだろうか。そうではなく、イタリアのファッション市場の低迷に起因する。不況下で、日本企業の戦略も問われることになる。
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日本貿易振興機構(ジェトロ)とともにJOBを主催した日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)によると、MU全体の来場者数は2日目終了時点で前年並み。米国とフランス、英国からの来場は増えたが、イタリアからの来場は微減となった。以前はイタリアの来場者が全体の80%を占めていたが、現在は60%程度といわれている。
イタリアのファッション市場は勢いを欠く。大手百貨店がファッションフロアを縮小し、有力セレクトショップの営業終了も伝えられる。日本のある企業は「久しぶりにイタリアに来たが、大きく変わった。イタリアのブランドは保守的な面があり、なかなか新しいものを取り入れない。回復が遅れているのもその辺りが理由」と話した。
ファッション市場の低迷はイタリアだけでなく、欧州、日本、米国、中国と世界で同時に起こっているものだ。そうした中で、トップブランドが多くそろうイタリアはまだまだ有望と捉えられており、JOBにも高級メゾンの買い付け担当者らが足を運んだ。1回だけでなく、3日間連続で姿を見せた買い付け担当者もあった。
ただ、これまでと同じ方法では顧客や販路の開拓は難しくなっているのも事実だった。出展者の一人は「かつて全盛を誇った日本の生地輸出は、為替問題などで低迷が続いた。今は再生に向かって各社が取り組んでいる段階にある」とした上で、「自分たち流の生地輸出の形をどのように作るか。作れる企業と作れない企業で差が出てくる」と強調した。
今回のJOBの各ブースをのぞくと、マーケットのニーズにより即した提案を行おうとする意志が見られた。「前回の出展で要望が多かった備蓄販売を一部スタートした」企業があり、高額品だけでなく、比較的手に取りやすい価格帯の生地を取りそろえた企業もあった。各社は市場の変化を肌で感じとっていたようだ。




