クローズアップ/瀧定ヨーロッパ 社長 黒田 剛臣 氏/納期対応でチャンスも
2019年07月23日 (火曜日)
瀧定ヨーロッパ(オランダ・アムステルフェーン)の欧州市場開拓が順調に進んでいる。スペイン市場での販売が伸びているほか、ドイツをはじめとする幅広い国で安定した動きを見せる。黒田剛臣社長は「北欧でも数字ができ始めている」と手応えを示す。欧州市場の動向や今後の販売戦略などを聞いた。
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――イタリアなどの欧州市場は良くないと聞こえてきます。
欧州のファッション市場は全般的に良くありませんが、イタリアの苦戦が目立っています。昨年の秋冬シーズンが暖冬で低調に推移したことが大きな要因です。今年に入っても6月の初めは気温が低く、下旬には猛烈な暑さに見舞われるなど、天候不順に振りまわされている感じです。
――日EU・EPA(経済連携協定)の発効から半年近くになります。
日EU・EPAを知らない欧州のデザイナーは多く、大きなメリットを享受できている日本企業が出てきたという話は聞いていません。欧州市場を攻めるに当たってポイントになるのは関税ではなく、納期の方であり、EPAが追い風になる気配は今のところありません。逆の言い方をすれば、納期対応ができればチャンスは出てきます。
――瀧定ヨーロッパの状況は。
現地法人としては2018年が実質的に初年度となりますが、好調に推移しました。スペイン向けが伸長し、ドイツ、フランス、イタリア向けも安定した推移を見せています。そのほか、数字ができつつあるのがスウェーデンなどの北欧です。欧州での販売は19年に入ってからも順調に伸びていると言ってよいでしょう。
市場が低迷する中で、備蓄販売が注目され、特に納期短縮の機能が評価されていると感じています。納期のグローバル標準は30日程度であり、ファストファッションは15日と言われています。一度短くなったリードタイムが戻ることはなく、備蓄販売はさらに不可欠な機能になるでしょう。ただ、それも、企画提案力があってこそだと思います。
――20秋冬向けの提案素材は。
このほどイタリアで開催された服地見本市「ミラノ・ウニカ20秋冬」では、婦人と紳士の区別のないジェンダーレス、オン・オフやスポーツを分けないシーンレスなど、「シームレス」をテーマに提案しました。中でもストレッチ性や防シワ性、ウオッシャブルなどの機能を持つトラベルウエア「トラベスト」シリーズが人気でした。




