コダマコーポレーション/バングラデシュ生産加速/サステイナビリティー対応も

2019年07月25日 (木曜日)

 ジーンズカジュアル製造卸のコダマコーポレーション(広島県福山市)は今期(2019年7月期)、バングラデシュでの生産量が全体の2桁%台に乗った。現地の協力工場に投資しジーンズ生産で水を極力使わない加工など、サステイナビリティー(持続可能性)を意識した生産体制を構築。畠山直秀社長は、将来的にバングラデシュでの生産比率を「ポスト中国として30%にまで高める」と話す。

 バングラデシュでの生産を3年前に開始し、ナショナルスタッフ3人を配置し、生産管理体制を整備。現状は中国での生産比率が最も高いが、「米中貿易摩擦で日本向けが増える希望的観測だけではいけない」(畠山社長)と判断し、リスクやコストの面から今後はバングラデシュを中心に中国以外での生産を増やす。

 大手SPAやNB(ナショナルブランド)がジーンズで「サステイナビリティーや環境配慮により、水をあまり使わない加工に切り替える動きが出てきた」ことを意識。バングラデシュの現地の協力工場へ投資し、水を極力使わない加工への対応力を強める。

 サステイナビリティーへの対応は大手が先行し、国内の消費者の関心はまだ低いが、「見た目が同じ商品でもいずれ環境に配慮した商品を選ぶ動きが強まってくる」と指摘。「当社でも対応ができることを今のうちからアピールする」ことで新たな販路開拓につなげる。

 7月31日~8月2日に大阪のクラボウ本社ビル、8月7~9日に東京の中央区立産業会館(東京都中央区)で開く20春向け展示会では、持続可能な綿花栽培の普及を目指す「ベターコットン」使いの製品を含め、サステイナビリティーを意識した新商品を打ち出す。

〈7月期は微増収の見通し〉

 コダマコーポレーションは19年7月期、前期の売上高26億2300万円から微増収になりそうだ。盛夏物を中心に5月の販売が失速したことに加え、主力取引先のGMS(総合小売業)の再編で売り場の減少が響いた。来期に向けてはブランド戦略の強化や、社内の基幹システムのクラウド化で業務効率化を進め、前期比10%の増収を想定する。

 ブランドは「ヘインズ」「アウトドアプロダクツ」などの販売が好調。それらに続く新規ブランドの導入を検討するほか、「アーバンクラフト」など自社ブランドの育成にも努める。

 「IT化をしっかりしないと生き残れない」(畠山社長)と、基幹システムのクラウド化を進める。インターネット通販も楽天から撤退しアマゾンのみに絞る。ネット通販で培ったノウハウを小口取引が中心の100社ほどの企業との受注対応など、B2Bシステムでの活用に生かし、業務の効率化を図る。