クラレトレーディング/製品OEM/ODMで拡大戦略/ベトナムでプリント・縫製増強

2019年07月31日 (水曜日)

 クラレトレーディングのスポーツ部は、製品OEM/ODMビジネスの拡大に力を入れており、ベトナムを中心とする海外生産を駆使した取り組みを推進する。2019年度(12月期)も同ビジネスを7%伸ばし、過去最高業績の更新を目指す。

 同社はクラレトレーディング上海、同ベトナムやベトナム、中国の協力工場との連携で製品OEM/ODMビジネスを強化してきた。この間の受注増を踏まえ、先にベトナムでの生産体制を増強。協力工場の縫製、プリントの生産能力を約33%引き上げ6月から稼働させている。

 ベトナムや中国のオペレーションでは、外―外の商流開拓にも取り組んでいる。製品ODMで日系アパレルが展開する中国内販での販路を開拓。「スペースマスター」や「ブリーズライト」を中国でテキスタイルに仕上げ協力工場で縫製した後、現地アパレルに販売する商流も構築している。

 日本への持ち帰りが中心だった同ビジネスで今後は外―外のビジネスも拡大。独自素材を生かしたベトナム・中国オペレーションで顧客対応を強化し、19年度も製品OEM/ODMを伸ばす。

 20秋冬に向けては、「エプシロン」を前面にスポーツ商戦に臨んでいる。芯・ポリエステル/鞘・ポリプロピレン(PP)の2層構造とすることで染められないPPを染色できるようにした戦略素材。

 薄地のシャツ、インナー系のアイテムをターゲットとして製品OEM/ODM中心に提案を強めている。熱伝導率が低く乾きやすいPPの特性を打ち出し、秋冬の汗冷え防止素材、春夏の吸汗速乾素材として浸透させる。

 海外を中心にエコ素材へのニーズが高まっていると見て、バイオPET、マテリアルリサイクル素材、ケミカルリサイクル素材による商品ラインの拡充に意欲を示す。

 全社として何に重点化するのかを検討し、早急にエコに関する戦略として打ち出す。スポーツでは当面、吸汗速乾スペースマスターのペットボトル再生ポリエステル化に取り組み、エコ素材のバリエーション化を進める。