ユニチカトレーディング/次期中計から業績反転/「エコフレンドリー」で布石打つ

2019年08月09日 (金曜日)

 ユニチカトレーディングの衣料繊維事業本部は2019年度(20年3月期)、中期3カ年計画の最終年度を迎え、次期中計からの業績反転を目指した基盤固めやリサイクルポリエステル「エコフレンドリー」の本格販売をにらんだ取り組みを強化する。

 同社によると、19年度もスポーツや婦人アウター、カジュアル向けの販売に勢いが見られない一方、堅調だったユニフォームに下半期以降、調整局面を迎える兆しが感じられるという。

 この間、ユニフォームに比べ遅れていたスポーツでの海外展開に力を入れてきており、協力工場への技術指導を交えつつインドネシアを中心とする生産体制を充実させている。国内から持ち込む差別化糸や現地調達するポリエステルなどで織物、丸編みを生産。日本への持ち帰りや現地販売で新しい販路開拓を徐々に実現している。現状でスポーツ全体の20%前後に育成してきた海外比率を次期中計の3カ年を通じさらに「25~30%に引き上げる」(渡辺巧取締役衣料繊維事業本部長)方針。

 メーカーズシャツ鎌倉向けの複重層糸「パルパー」の販売は順調に拡大しており、今後も「パルパー」を高度化するための開発を強化しながら連携を深める。

 パルパーでは、「A+A 国際労働安全機材・技術展」への出展を通じ海外でのユーザー開拓を進めている。11月展にも出展し、この間、引き合いを寄せてきたユーザーとの具体的な話し込みに着手する。

 同社はケミカルリサイクルを中心とするポリエステル・エコフレンドリーを20年度から本格販売するための素材開発、企画提案に力を入れている。先に20春夏展を開いた瀧定名古屋がエコフレンドリーによる素材群を打ち出しており、今後も両社共同で婦人服地としての普及・拡販に取り組んでいく。

 スポーツなどでも商品ラインの拡充を進めており、下半期以降、増産対策も進めながら20年度に本格生産を始める。