合繊メーカー 20秋冬スポーツ商戦(中)/アスレジャー・ビジネスへも拡幅

2019年08月14日 (水曜日)

 合繊メーカーは機能性や独特の質感を打ち出し、スポーツ素材の用途をアスレジャーやライフスタイル、あるいはビジネス、スクールなどへも広げていこうとする取り組みを強化している。

 東レはスポーツ用高機能素材によるビジネス、ファッションの開拓に力を入れて、今のところ順調に進んでいる。快適ストレッチ素材「プライムフレックス」を重点的にプロモートし、20秋冬ではカチオン可染糸をミックスし杢(もく)調の表面感を持たせたタイプなどで商品ラインを充実させている。

 ジャケットやパンツ、カジュアル・ビジネスシャツ向けに展開する高通気・軽量織物「ドットエア」の販売も順調と言う。

 東洋紡STCは新たに、「ニュートロン」を開発した。先に東西で開催したグループ総合展に出展したスポーツ素材の中では最も評価が高かった。ノン・スパンデックスだが優れたストレッチ性、キックバック性を発揮する。ポリエステル綿混糸や丸編みで投入する。

 綿の風合いとポリエステルのイージーケア性を両立させて、アスレやゴルフシャツ向けに売り込むほか、スクール関連分野のアイテムへも用途を広げる。

 合繊ニットのシリーズ素材「Zシャツ」「Eシャツ」「Xジャケット」の拡販も計画する。ドレスシャツ、メンズジャケット、スクール、ユニフォームなどに「浸透させたい」と言う。

 帝人フロンティアは、20秋冬向けにイチ押し素材として「アスティ」を打ち出している。綿のような質感、表面感を持たせたほか、吸汗速乾性、肌離れの良さなどの機能性にもこだわって開発した。リサイクルポリエステル使いのエコタイプもラインアップする。28~46ゲージの丸編みで綿のTシャツのゾーンにアプローチ。ローゲージの肉厚タイプ、織物の開発も進めている。

 旭化成アドバンスは、摩耗耐久性を引き上げたポリエステルニット(丸編み)「アルティッシモ」を投入し学生服用途での拡販に取り組む。

 セーレンは、梳毛調の質感、綿タッチを表現できるポリエステル「ベルアイビー」をラインアップ。アスレジャー狙いのスウェット素材やゴルフパンツ向けの織物などで20秋冬向けの企画を組み立てる。