産資・不織布通信(6)/ダイワボウプログレス 産業資材部/社会のニーズに応える製品を

2019年08月19日 (月曜日)

 ダイワボウプログレスの産業資材部は重布・帆布、難燃加工生地、建築資材、土木資材、ゴム製品など幅広い分野の産業資材を扱っている。特に合繊帆布、ゴム製品、建築資材、土木資材は売上高の8割を占める重点分野。社会的ニーズに応えた商品開発によって「世界的に要求が高まるSDGs(持続的な開発目標)の観点も積極的に事業に組み込む」(山中充部長)ことを目指す。

 重布・帆布はダイワボウの産業資材事業の中で祖業とも言える伝統がある。特にトラック幌向け合繊帆布は現在でも高いシェアを持つ。全国に地域密着の販売代理店網を持つことも強み。

 近年、物流業界では人手不足やトラックドライバーの高齢化など新たな課題が浮上してきた。トラック幌も取り扱い時の負担を減らすために軽量性が求められる。このため軽量帆布「エアスカイ」を開発するなど新たなニーズに応える商品提案に力を入れる。

 建築シート・ネットなど建築資材も重点分野と位置付ける。東京オリンピックに向けた需要は頂点を過ぎつつあるが、“国土強靭化”に向けた公共インフラ工事向けの需要が続く。土木資材もトンネル用遮水シートなどの需要拡大が期待できる。インドネシア子会社のダイワボウ・シーテック・インドネシアでも建築資材を生産しており、グループ会社のカンボウプラスと連携してグローバル販売に取り組む。

 ゴム製品は自動車向けパッキン・シール材の海外販売が拡大傾向にある。大和紡績香港を通じて中国、タイ、インドネシアに向けた営業活動が成果を上げ始めた。スポーツ用途はウエットスーツ用が主力だが、最近では卓球ラバー用途が拡大する。原板販売に特化し、スポーツ用品メーカーと取り組みを強める。競輪の公式タイヤ「ソーヨータイヤ」も同社の製品。こちらは一般用途の開拓が大きなテーマとなる。

 合繊帆布など現在の主力事業を拡大させながら、新規用途の開拓を進めるのが今後の基本戦略。例えば鉄道車両用ゴム製品の開拓を進めている。マグネット式プロジェクタースクリーンも開発し、ダイワボウ情報システムと連携して学校など文教分野に提案することも始まった。社会インフラから教育まで幅広い用途に製品を供給することでSDGsの実現への貢献を目指す。