カケンインドネシア/試験設備 増強へ/短納期の対応力磨く

2019年08月26日 (月曜日)

 【ジャカルタ=橋本学】カケンインドネシア(ジャカルタ)が試験設備の増強を進めている。7月に生地表面のコーティングなどの劣化を試験する設備を、今月には吸水速乾機能のテスト設備をそれぞれ1台増やした。

 アパレルが生地試験に対する短納期対応を求めているため、処理能力を高めることで試験のスピードアップを狙う。大口取引先である日系SPAがインドネシア国内での店舗展開を加速していることも念頭に、将来のインドネシアでの試験需要増に備える目的もある。

 短納期対応を充実させるために、日本のカケンテストセンターとの連携も強める。抗菌、制電、抗ウイルスなど特殊な試験は現地では難しいため、日本で試験を行うが、物流企業と組むことで、試験反を受け取りから最短1日で東京の試験場にまで届ける仕組みを作る。

 カケンインドネシアの試験受注件数のほぼ9割が繊維で、そのほとんどが生地の物性や性能試験。本年度上半期(2019年4~9月)の受注量はほぼ前年並みで、通期でも横ばいの見通し。日本向けスポーツ衣料用生地試験は受注が減少傾向にあるが、内販のカジュアル衣料用の試験が堅調で不振を補う。

 現地では染色堅ろう度、引き裂き強度、ホルマリン検査、洗濯耐性などの試験の受注が底堅い。日本で規制される特定芳香族アミンを生成するアゾ化合物試験はフランスの試験機関と提携して対応する。