カケンベトナム試験室/機能性試験を充実/製品検品は手法の変更予定

2019年09月06日 (金曜日)

 カケンベトナム試験室は、機能性試験の充実を図るとともに、顧客のトータルコスト削減につなげる狙いで製品検品を抜き取りから先上げに変更する。

(ホーチミンで吉田武史)

 川久保潤一室長によると同試験室の試験・検査依頼は伸び率が鈍化している。これまではチャイナ・プラス・ワンの流れを捉えて依頼件数が勢いよく伸びていたが、今年6月、7月は勢いを欠いた。日本市場の低迷を背景に一部の日系商社が同国での生産数量を減らしていることがその背景にあると見られる。

 こうした状況下で力を入れるのが、韓国、台湾、中国系を軸に同国で生産が活況を呈する生地の試験。中でも「機能性素材の要望が高まっている」。吸水速乾の試験を近いうちに始め、UVカットの試験も来年には設備を入れて稼働させる。その後も順次、機能性試験の充実を図っていく。

 一方、製品検品は手法を変える。これまでは量産が完了した後に一部製品をチェックする抜き取り検品を行っていたが、これでは不良が見つかっても対応できない。生産が完了するまでにチェックする先上げ検品にすることで、途中での仕様変更も可能になり、「トータルで不良率が下がり、生産効率も上がる」ことになる。

 昨年に比べてスタッフを4人から5人に増員した。新しいスタッフが縫製工程に精通するため、先上げ検品が可能になった。顧客提案に力を入れ、同検品の周知を図る。