菅公学生服/スポーツは売上高100億円へ/安定供給に向け生産改革進める

2019年09月09日 (月曜日)

 菅公学生服の2019年7月期決算は、19年入学商戦で制服モデルチェンジ(MC)校の獲得が順調に進み前期比で増収になりそうだ。スポーツは「カンコープレミアム」など新ブランドの採用拡大で過去最高となる売上高100億円をほぼ達成する見通し。一方で売り上げの拡大で生産が追い付いていないことから、尾﨑茂社長は「今年中にも素案を出し、生産改革を進める」と話した。

 19年7月期はスポーツが売上高100億円(前の期95億円)になることで、全体の売上高も目標とする350億円(同348億円)を上回る可能性が出てきた。カンコープレミアムが約60校に採用されるなど自社ブランドの販売が堅調なことに加え、ライセンスブランド「リーボック」が斬新なブランドイメージへの転換で採用が増加。「アディダス」も採用校が「2桁%増で伸びている」(尾﨑社長)。

 制服MC校についても関東を中心に採用が拡大。教育ソリューション事業による学校支援の成果も出てきた。地方の学校についても「安定して生徒を集めている学校との取り組み」が多く、少子化による生徒減の影響を食い止めた。

 ただ、「生産面が追い付いておらず、販売計画と連携しながら生産枠の管理をしている」ものの、「根本的に(生産)能力が足りていない」と分析。今期も20年入学商戦に向けたMC校の獲得やスポーツの販売が堅調に進む中、基幹工場を軸に人工知能(AI)とモノのインターネット(IoT)を取り入れ「さまざまな仕組みを一新する」と、大型の設備投資を想定する。

 投資額は10億円以上になる可能性があり、「減価償却によってしばらく利益が出ないかもしれない」との懸念も示す。

 全国の各営業所に付随する形で散らばっていた物流拠点についても5カ所へ集約する。仙台に物流センターが既にあるが、今年10月に前橋市、12月に宮崎県都城市に同センターを新設する。刺しゅうや裾上げなどの2次加工設備や省人化などの最新設備の導入を想定。愛知県、岡山県でも土地取得を進め、数年以内に拠点集約を完了する。