明石SUC/MC校獲得10年で最大/売上高272億円計画

2019年09月13日 (金曜日)

 明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)は、来入学商戦に向けて制服モデルチェンジ(MC)校の獲得が順調に進む。河合秀文社長はMC校の獲得について「ここ10年で件数、生徒数とも最も多く、獲得校数が今年の入学商戦の1・5倍以上になっている」と話す。明石SUCを含む明石グループの2020年5月期の売上高は前期比2%増の272億円を計画する。

 来入学商戦のMC校獲得が堅調な背景として「現場(担当者)の熱意が学校に伝わり獲得につながってきた」(河合社長)。特に私学は理事長の判断で制服が変わるケースが多いが、担当者が「現場の先生との関係がしっかり構築できている」ことが貢献した。都市部だけでなく地方もMC校の獲得が増え、制服を供給する生徒数も大きく伸びそうだ。

 防災教育の「明石SUCセーフティプロジェクト」も広がりを見せ、新たな学校との関係構築に貢献。MC校獲得につながる事例もできてきた。昨年、小学校向けの防災教材を投入した。中高向けの教材も既に開発しており、教材を通じた市場開拓が加速する。

〈10期連続の増収/19年5月期〉

 明石グループの2019年5月期の連結決算は前期比増収減益となり、10期連続で増収だったものの、3期連続で減益だった。政府が最低賃金で年率3%以上の引き上げを方針として掲げ、毎年人件費が上昇する中で「生産性も上げないとつり合いが取れない」と指摘。コストアップを自助努力で吸収するのは限界になる中、制服の値上げについても「お願いもしていく必要がある」との認識も示した。

 採算が悪化する傾向にある自家工場は「納期に合わせてモノ作りをするのではなく、日々の目標を設定する」といった意識改革の必要性も示唆。多品種小ロット短納期の流れが強まり、「採算が取れる原価の見方と実際に掛かったコストでずれが生じ始めてきた」ことから原価管理の見直しも進め、利益を確保できる体制の構築を進める。