ダイワボウポリテック/持続可能性の対応強化/生分解性SLなど投入

2019年09月24日 (火曜日)

 ダイワボウポリテックは、サステイナビリティー(持続可能性)への対応を強める。ダイワボウレーヨンのレーヨンショートカットファイバーや独自開発のわたを使用して生分解性のあるスパンレース不織布(SL)を打ち出す。海外生産品の台頭などで競争が激しくなる中、付加価値を高めることで差別化を図る。

 SLの市場は、これまでけん引役を務めてきたフェースマスクをはじめとするコスメティック関連の需要が落ち着きを見せ、中国製や台湾製の流入も増えてきた。市場全体として厳しさが目立ちつつあり、付加価値のより高い製品の提案が不可欠と捉え、新製品の開発を強化する。

 焦点を当てるのが、「顧客が重要視している」と言うサステイナビリティーへの対応。ダイワボウレーヨンが開発した、レーヨンショートカットファイバー「SBH」、独自開発の「ミラクルファイバーKK―PL」などを活用する。どちらも生分解性があり、環境に優しいのが特徴。

 SBHは、水素結合(電気陰性度の高い原糸が水素原子を介して結び付く化学結合)による自己接着性を持ち、高強度と水解性などを兼ね備える。新鞘複合繊維ミラクルファイバーKK―PLは播磨工場(兵庫県播磨町)で生産し、SLのほか、インドネシアのダイワボウ・ノンウーブン・インドネシアのエアスルー不織布で展開する。

 コスメティック分野や尻拭きシートをはじめとする幅広い用途に投入する計画で、早い段階での販売開始を目指す。サステイナビリティーや環境負荷低減に応じる製品ではリサイクルにも力を入れる。既にリサイクルポリエステルを使った製品は一部販売を始めている。

 同社の2019年度(20年3月期)SL販売は、海外向けが米中貿易摩擦や日韓問題で勢いを欠いているものの、国内は順調。上半期は前年同期並みで推移しており、20年3月期も前期実績と同水準での着地を目指す。今後は新製品の提案強化やインドネシアの地産地消の拡大、用途開拓に力を入れる。