びわ湖国際環境メッセ開く/湖沼会議と連動し国際化
2001年11月16日 (金曜日)
広がる“環境熱”
環境関連産業の見本市「びわ湖国際環境ビジネスメッセ2001」が14日から3日間の日程で滋賀県長浜市と米原町で始まった。今年で4回目となる同メッセは今週から滋賀県大津市で始まっている「第9回世界湖沼会議」と連動する形で開かれ、昨年までの「滋賀環境ビジネスメッセ」を名称変更し、一段と国際分色を出したのが特徴だ。
主催の滋賀環境ビジネスメッセ実行委員会(滋賀県、滋賀工業会など)によると、出展社は国内企業が179社、大学・研究機関が16、海外からは前回(7カ国・地域、20企業・団体)を上回る11カ国から32の企業・団体が出展した。
会場はこれまでの長浜ドーム(長浜市)に今回新しく文化産業交流会館(米原町)を加えた2会場で開催。主力の長浜会場は従来のBtoB(企業間)のビジネス見本市とし、米原会場ではBtoC(企業・消費者間)を対象にした見本市の構成にした。米原会場では40ブースが出展、即売も実施。
国際化を高め、規模も拡大した今回展への来場者数は、前回(延べ4万人)を上回る5万人を見込む。初日が長浜会場で1万6700人、米原会場で4000人。長浜会場は前回の30%増の来場で上々の滑り出しだ。
繊維業界からの出展は東洋紡、カネボウ繊維・カネボウ合繊のほか、今回初出展のオーミケンシ、イトチューウールリミテッド日本支社、エコスマイルグループ(根来産業など)などが参加。東洋紡は第1回目からの出展企業で、今回は環境保全に貢献する「エコパートナーシステム」商品群の中から生活関連、土木・建設・緑化、樹脂・フィルム分野のエコ商品を出品。カネボウ繊維・カネボウ合繊は生分解性繊維「ラクトロン」、とうもろこし繊維のほか、今回は高分子分野から「I―PET」「ベルクリア」「高比重樹脂」の3種類を初出品した。
また、初出展のイトチューウールリミテッド日本支社は地元の琵琶湖のヨシを原料に3年前から開発し、今年完成したヨシの和紙糸を使ったカバン、ウエアを出品。地元の自然を利用した製品だけに人気を集めた。そのほか、米袋古紙から作ったジャケット、カバンも出品。オーミケンシでは環境に優しい繊維レーヨンを中心にした製品を出品したほか、キチン・キトサン繊維「クラビオン」、紀州備長炭繊維製品などをアピールした。
根来産業など9社によるエコスマイルグループでは各社のペットボトルリサイクル製品を出品。そのほか、消費者向けの米原会場で共同出展したトーメン一宮支店/スピカは光触媒のレースカーテンを展示即売しながらアピールした。
一方、初日に開かれた環境トップセミナーでは「循環型社会を支える産業の役割」をテーマに千葉商科大学の三橋規宏教授がコーディネーターとなり、荏原製作所の藤原宏幸会長、大阪ガスの芝野博文副社長、シャープの橋本伸太郎取締役、トヨタ自動車の増田清環境部長がそれぞれ各社のゼロエミッション(廃棄物ゼロ)への取り組みをパネルディスカッションした。
また、環境マーケットセミナーでは、きょう16日午後1時から長浜文化芸術会館ホールで「企業が地球環境にできること~国際アウトドアウエアメーカーの取り組み~」と題してパタゴニア日本支社長のビル・ウォーリン氏が講演する。なお、来年は「資源循環型社会への挑戦(仮)」を開催テーマに11月6~8日に「びわ湖環境ビジネスメッセ2002」を長浜ドームで開く予定だ。