変化に対応する中国縫製「AFF東京展」から(前)/米中問題で視線 より熱く
2019年09月30日 (月曜日)
日本最大級のアパレルOEM/ODM展示会「AFF・東京2019」(AFF、日中経済貿易センター主催)が27日、閉幕した。東京・池袋の会場には、過去最多の612社(702ブース)が出展した。うち新規出展が約4割を占め、日本市場に熱い視線を注いだ。中国企業は今、米中貿易摩擦激化の影響をどう受け、日本のニーズに合わせたどのような取り組みを進めているのか、取材した。
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中国観光客の「爆買い」が話題になったのは2015年。当時は1元が19円と元高だった。昨年は17円となり、米中貿易摩の激化もあって、現在は15円前後の元安へと進んだ。日本向け中国企業にとって、為替が追い風になっている。
しかし、「ほとんどが米国向け。輸出に影響が出ている」(紹興春誼現代針織品)といった企業にとって、貿易摩擦の影響は大きい。このため、「バングラデシュの工場から輸出」(同)といった対応を取る。とはいえ、米国から日本に輸出先を変えるにしても、ロット、サイズ、スタッフの日本語対応力などの課題もあり、輸出先の転換はそう簡単ではない。
スカーフを生産する蘇州金諾美服飾も米国向けが売上高の2割を占め、欧州向けは6割。「影響はこれから出るが、関税が上がっても米国にとって必要最低限の数量は残る」とみる。同社は日本向けも2割あるが、貿易会社を通じた取引。コストを抑えるため、直貿をしようと初出展した。
「中国も日本の縫製工場と同じ道を歩んでいる。人件費が上昇し、貿易会社からは値下げの要請がある。高品質が強みだが、それを崩すことはできない。それなら直接取引すれば、顧客にも中間マージンを省いた価格で提供でき、高品質も維持できる」と話す。
QR、小ロット、サステイナブル(持続可能な)素材。今回の会場ブースにはそうした日本ニーズに合わせたPOPが目立っていたのも特徴と言える。