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トンボ/21年春からの値上げ想定/利益重視で小売業拡大も

2019年10月02日 (水曜日)

 トンボは、素材メーカーによる値上げの圧迫が強まる中、2021年の入学商戦以降、制服や体育着の値上げを想定している。近藤知之社長は「来年は難しいが、それ以降、価格改定に向けて準備を進める必要がある」と話し、来秋から学校への打診を検討。利益重視の方針を掲げる中、「従来のやり方では減益が止まらなくなる」とも話し、小売業の拡大も進める。

 2019年6月期は前期比で増収だったが、物流コスト、人件費の増加などで前期よりも経費が2億円増え減益だった(短信既報)。付属品の値上げが既に進むとともに、9月30日にニッケが来年4月1日から学生服用生地とニット製品の値上げを発表するなど、学生服地メーカーの値上げが本格化してきた。

 学校への制服供給は基本的に3年間の契約で結ばれ、値上げする場合は学校へ個別に打診していく必要がある。そのため、素材メーカーの値上げの情勢を見ながら、来年秋以降から学校に対して値上げを打診。個別に交渉をしながら、21年の入学商戦からの値上げを視野に入れる。

 少子化で市場の縮小が加速し、学生服メーカーによる小売店のM&A(合併・買収)も増える傾向にある。小売店は後継者難に加え、競争が激しく店舗運営が難しくなりつつあり、メーカーが支援するケースが増えている。トンボは東京のフォワードに加え、17年に北海道で20店舗(売上高約11億円)を展開する大万スクール(札幌市)を買収し、小売業は売上高30億円の規模になっている。

 20年6月期は瀧本を含め、その子会社の学生服センターカク(福岡市)など小売企業も連結対象となることで、小売業の売上高は約40億円にまで増える。

 トンボに限らず、学生服メーカーのM&Aが続けば、近藤社長は「SPAに近い形になってくる」と指摘する。小売業の拡大も含め、新たな事業形態の構築で利益体質を目指す。

〈女子バレーチームにユニフォーム提供/トンボ/ミズノ〉

 トンボとミズノは、女子バレーボールチーム、岡山シーガルズ(岡山市)に2019~20年度のユニフォームを供給する。両社とも昨年に引き続く形でのユニフォームの提供となる。

 トンボの供給するユニフォームは、熱による融解防止に優れた機能素材「メルトレシーブ」を採用。スライディング時などに起きる摩擦熱に強く、溶けにくい。伸縮性が高いほか、ストレッチ性、形態安定、吸汗速乾の機能に優れる。

 デザインは、2020年の東京五輪に向けて日本文化を見直す機運が高まる中で、桜や竹などをあしらった和柄を取り入れた。トンボのユニフォームはホームゲームがメインだが、一部のアウェーゲームでも着用される。

 アウェーゲームで着用されるミズノのユニフォームは、選手のパフォーマンスを下げないことを考慮し、カッティングや吸汗速乾といった機能性にこだわった。色使いは“晴れの国”岡山をイメージし、青と白を用いた。

 9月30日に岡山市内で開かれた今シーズンの体制発表会で新ユニフォームが公開された。河本昭義監督は「選手一丸となれば決勝ラウンドにいけるチームだと信じている」と今シーズンへの思いを語った。