帝人グループ/「エコ素材へ関心高まる」/福井で素材フォーラム

2019年10月02日 (水曜日)

 帝人フロンティアの日光信二社長、帝人の小山俊也常務執行役員マテリアル事業グループ長は9月30日、福井市内のホテルで開催した「帝人グループ素材フォーラム」終了後に会見し、「衣料用から産業資材用まで最新技術による素材を紹介したが、これらによって北陸産地企業との協業を推し進める」(日光社長)考えを示した。

 同フォーラムには90社240人が参加。帝人からは耐炎繊維、炭素繊維複合成形材料、アラミド繊維、帝人フロンティアからはナノファイバーによる気相、液相フィルターや、最新素材の開発状況などを紹介した。

 中でもエコロジー素材は「海洋マイクロプラスチック問題も含めて消費者の意識も高まっており、北陸産地企業もリサイクルも含めて関心が高かった」と言う。

 同社はマテリアルリサイクルからケミカルリサイクルまで「エコ素材の先駆者。今後はケミカルリサイクルをベースに高付加価値糸を生産できる点も積極的に訴求する」。ケミカルリサイクルを広げる上で同技術を広げることも検討する考えを示した。

 小山執行役員もアラミド繊維による補強分野への関心が高かったと分析しながら、「ポリエステル繊維だけでなく、アラミド繊維、炭素繊維複合材料のリサイクルも考える必要がある」と指摘する。

 帝人フロンティアは2020年3月期、北陸産地との取引額で277億円を目標に掲げる。ただ、スポーツウエア向けの大口の編み地販売などが落ち込んだ影響もあり「達成は難しくなっている」と述べる一方、高バランス織・編み物「デルタ」の改良や新質感スエット生地「デルタフリーモ」などで巻き返しを図る。

 10月16、17日に同社も出展し福井で開催される「北陸ヤーンフェア2019」にも日光社長は触れ、「北陸産地は日本の先端加工技術を有する。その北陸産地との取り組みは重要。北陸ヤーンフェアで当社の最新技術を紹介することは、産地企業との協業を推進する上で意味がある」と述べた。