興采実業/「レニュー×S.カフェ」を本格化/伊藤忠との協業で拡販へ
2019年10月09日 (水曜日)
【台北=岩下祐一】台湾の環境配慮型の機能素材メーカー、興采実業(シンテックス)が、コーヒーかすをペットボトル由来の再生ポリエステルに分散させた「S.カフェ」と、伊藤忠商事のケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」を組み合わせた「レニュー×S.カフェ」の展開を本格化する。今日9日まで台湾の台北市内で開かれている「2019台北紡織展(TITAS)」の同社ブースで、この素材を前面に訴求している。
S.カフェは、コーヒーかすの作用による消臭、涼感、紫外線防止、速乾の機能を持つサステイナブル(持続可能な)素材。コーヒーかすは台湾のスターバックスやセブン―イレブン、ファミリーマートなどで回収。現在欧米のアウトドアブランドを中心に、約110ブランドに採用されている。
一方のレニューは回収した中古衣料や、工場で発生したわたや残布を原料にする伊藤忠独自のサステイナブル素材。「レニューを組み合わせることで、S.カフェをさらに進化させる」と興采実業の陳国欽董事長は話す。
同社と伊藤忠グループは、S.カフェの日本と中国市場での拡販に以前から共同で取り組んでいる。日本では大手流通のプライベートブランド(PB)向けの販売で成果を上げ、中国では地場大手スポーツブランドやコーヒーチェーン店への販売が立ち上がりつつある。
レニュー×S.カフェは、「当社が欧米アウトドアブランドを中心に手掛け、伊藤忠には欧米系を含め、スポーツブランドの開拓を期待している」(陳董事長)と言う。