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寝具寝装市場/拡大基調続く/16年以降8千億円台

2019年10月18日 (金曜日)

 国内の寝具寝装市場は2016年以降8千億円台に乗り、拡大基調にある。小売り、業務用途とも伸びており、特に業務用途がホテル向けを中心に拡大し、その勢いを維持している。ただ19年は小売り用途が落ち込み、大きな伸びが期待できない状況にある。

(長尾 昇)

 当社ダイセンが推計した17年の寝具寝装市場規模(ベッド除く)は、小売価格ベースで前年比1・4%増の8256億円。12年から4年連続で7千億円台が続いていたが、16年に8千億円台を回復し、拡大基調にある。

 17年の用途別では、小売りが前年比1・8%増の6219億円、業務用が0・3%増の2037億円だった。小売り用途は天候に恵まれ、春夏の冷感寝具、秋冬の羽毛布団など全般的に売れた。一方で、消費者の価格に対するシビアさが感じられたシーズンで、GMS(総合スーパー)などでは秋冬に低単価の敷パッドや毛布が売れる傾向も見られた。

 小売り用途は18年も全般的に堅調だったが、19年は天候不順などを受けて春夏が大きく落ち込み、秋冬は消費増税前の駆け込み需要が一部であったものの、10月以降厳しさが見込まれており、前年の小売り規模を下回る可能性がある。

 販売チャネル別では、チェーンストアやネット通販が拡大している。日本チェーンストア協会のチェーンストア販売統計によると、ベッドや家具を含む「家具・インテリア」の販売額はこの10年間伸び続け、18年は前年比1・7%増の6994億円だった。特に同協会に加盟するニトリホールディングスの好調さが目立っている。

 同社によると、接触冷感機能を持つ敷パッドをはじめとした「Nクール」シリーズの販売数は、16年度の582万点から17年度が約860万点、18年度が約938万点に増加。吸湿発熱素材を使用した機能性寝具「Nウォーム」シリーズも、16年度の約369万点から17年度が約482万点、18年度が約583万点に増えている。

 ネット通販では、B2Cの電子商取引の「一般家具、インテリア、寝具類」の市場規模が、17年に前年比9・8%増の4445億円、18年に前年比8・5%増の4825億円と拡大している(経産省『電子商取引に関する市場調査』を基に推計)。今後も伸び代があるネット通販だが、中国企業の出店などもあり、競争が一層激しくなっている。

 業務用途は、16年の前年比20・1%増の伸び率と比べると、17年は0・3%増と鈍化したが、広がった市場規模を維持している。けん引する用途はホテル向け。ホテルの新増設による客室数の増加や、訪日外国人の伸長による稼働率上昇で、業務用寝具・寝装品の需要が高まっており、シーツやタオルを貸し出し、回収・洗濯した上で再納入するリネンサプライ業者向けに繊維製品を販売する資材業者の業績などが伸びている。19年も2桁%増収で推移する企業が複数あり、期待できる。

 ダイセンはこのほど、『寝装リビング白書2019―2020』を発刊した。寝具市場規模、業界の現状や展望、寝具業界の偉人66人を紹介した特別企画「激動の寝具業界を駆け抜けた強者たち」などをまとめた。B5判198ページ、5千円(税別)。