ユニチカトレーディング レディス営業部/環境対応が成長戦略の軸/展開商材も充実図る

2019年10月21日 (月曜日)

 ユニチカトレーディングのレディス営業部は、環境配慮型ポリエステル素材の冠ブランド「エコフレンドリー」を軸とした成長戦略を進める。工場廃材を活用した再生ポリエステルの製造・販売を始めているが、石油由来品と同等の風合いや色味が評価を得る。商材の充実を図り、将来は全体の半分以上(糸ベース)を環境対応品にする。

 エコフレンドリーは、使用済みペットボトルや繊維生産工程で発生する廃材を回収、マテリアル・ケミカルリサイクル技術を駆使して再生したポリエステル素材の総称。0・5デシテックス以下のマイクロファイバーや異型断面糸の生産技術を確立し、年間20~30トンの規模で商業生産を開始した。

 同営業部ではエコフレンドリーをけん引役に事業拡大を狙う方針で、20春夏物から販売を開始した。バイメタル構造ハイブリッドヤーンを用いた高反発性快適生地「ペオス」などに再生ポリエステルを用いているが、従来品と同レベルの風合いや色味が再現できており、生地商社をはじめとする顧客の評価は高い。

 20秋冬物では、適度な膨らみと反発感などの特徴を持つ「ノイエ」でも活用。深い黒色を表現でき、エコの引き合いが強まっているブラックフォーマル用途などで訴求する。柔らかな風合いと生地表面のピーチ感が特徴の「テイスティ」にも広げ、全体で19秋冬比5%の販売増を計画する。

 ユニチカグループの岡崎事業所(愛知県岡崎市)に解重合設備を導入するなど安定生産・安定供給体制を整える。設備は2021年3月に稼働し、当面の目標として年産千トン規模を目指す。同営業部は「置き換えられる糸は全てエコフレンドリーにする。全体の半分以上は環境対応品で占めることになる」と話した。

 エコフレンドリーを使ったペオス、ノイエ、テイスティは24、25日にふくい南青山291(東京都港区)で開催する「20秋冬ユニチカ・レディス素材商談会」に出展する。商談会にはナチュラルな杢感が特徴の「ジュフィーM」など370点が並ぶ。