繊維ニュース

クラボウ/スマート工場化に着手/次期中計で海外工場にも拡張

2019年10月24日 (木曜日)

 クラボウは、これまで研究を進めてきたスマートファクトリーの導入に着手する。2019年度下半期(19年10月~20年3月)に繊維事業の国内工場で紡績工程から導入を始め、現中期経営計画の最終年度となる21年度までに国内の織布と染色加工工程へ広げる。その後は海外工場への導入にも取り組む。

 藤田晴哉社長は、19年度上半期(4~9月)の業績に関して「米中貿易摩擦と中国の景気低迷の影響が工作機械、自動車、半導体関連の事業にジワジワと及んでおり、厳しさを増している」と話す。繊維事業も原糸やユニフォームなど堅調な分野があるが、タイ子会社がバーツ高による輸出不振で苦戦するなど全体的に振るわなかった。

 このため下半期に関して「中計初年度だが、経営環境が大きく変わっている。もう一度、目標に対する戦略・施策を立て直すためにPDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを回していくことが重要になる」と強調する。その上で「ロボットビジョン、半導体関連、グラフト重合などこれまで研究開発を進めてきた新技術や商品で具体的な成果を上げることも下半期の課題」と話す。

 その一つとして、繊維事業部のテキスタイルイノベーションセンター(愛知県安城市)で研究を続けてきた繊維工場のスマートファクトリー化に下半期に着手する。インターネットを活用した統合的生産管理や設備稼働モニタリングなど、あらゆるモノをインターネットにつなぐIoTや人工知能(AI)を応用したもので、まずは紡績工程への導入を進める。中計最終年度となる21年度までに国内の織布、染色整理加工にまで導入を広げる計画。22年度からの次期中計ではタイやインドネシアなど海外子会社の繊維工場にもシステムを拡張することを構想する。

 IoTやAIなど革新技術を積極的に導入することで繊維事業の競争力向上を目指す。

〈「D&I推進」で組織風土変革〉

 クラボウは現中期経営計画の基本方針の一つである「多様な人材の活躍推進」を強化するために、このほど全社を対象とした「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」(D&I推進宣言)を発表した。全社ベースでダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(受容)を重要な経営戦略の一つと位置付ける。

 藤田社長はD&I推進宣言に関して「意思決定の場で一人一人の多様な個性を尊重し、互いに認め合うことで共に活躍・成長できる職場環境・風土を築くことはもちろん、社員が自分の個性や強みを発揮することでイノベーションと新しい価値を創造し、より良い未来社会作りに貢献する」と狙いを説明する。

 社内イントラネット上に専用サイトを既に開設し、各種研修も企画するなど制度・環境整備を進めている。こうした取り組みで組織風土の変革を加速させる。