帝人フロンティア テキスタイル第二部/生地輸出で量的拡大志向/中国や北米市場に重点

2019年10月25日 (金曜日)

 帝人フロンティアのテキスタイル第二部は、生地輸出の量的拡大を志向する。輸出比率は全体の約半分を占めているが、入り込めていないマーケットがあり、伸び代を残していると捉える。2019年度下半期(19年10月~20年3月)は、高付加価値品を軸に中国や北米市場を攻める。

 同部の上半期業績は、米中貿易摩擦の激化などの影響で世界経済の不透明感が増す中、前年同期を上回る水準で推移した。輸出は、欧州向けで苦戦が見られたものの、中東向けが回復を示しているほか、北米向けも伸長。一方で国内向けは厳しい状況が続く。

 為替相場などで逆風も吹くが、下半期以降は輸出で量的拡大を図る。より伸び代があると考えているのが中国や北米、豪州市場などで、自社製品を含めた国内製品と海外製品の両面で拡販に取り組む。中近東は回復が本物かどうかを見極める。国内は顧客との連携を深める。

 国内外とも高付加価値生地の展開を軸に据えている。ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」や構造撥水(はっすい)の「ミノテック」、革新的紡毛調生地「ソロテックス フルフラン」などのほか、スポーツ系素材の打ち出しも強める。

 中長期的には生地のブランディングを強化する。ソロテックスに続き、ミノテックやフィブリル調ポリエステル織・編み物「フィブリット」などの認知向上に取り組む。原料部と国内産地とのコラボレーションを深めるなど主体性のあるビジネスを推進し、売り上げ拡大につなげる。

〈「ミノテック」拡充〉

 帝人フロンティアのテキスタイル第二部は、構造撥水(はっすい)生地「ミノテック」のバリエーションを広げる。20秋冬物で新たに「ミノテックPH」を投入する。ピーチタッチの糸を活用することでダル感(つや消し)を付与した。婦人分野に提案する。

 17、18日に東京支社で開いた20秋冬ファッションテキスタイル内見会で紹介した。内見会ではポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」やフィブリル調ポリエステル織・編み物「フィブリット」を展示したほか、“エコ”を意識した素材コーナーも設けた。