繊維ニュース

ユニチカトレーディング/ポリ乳酸繊維の可能性追求/ファッションとの融合を

2019年10月30日 (水曜日)

 ユニチカトレーディングは、ポリ乳酸繊維「テラマック」の可能性を追求する。現在は資材用途が主体だが、同繊維を用いて作成した衣料品が若手デザイナーを支援する賞の最終審査に残るなど、ファッションと融合できることを示した。「テラマックを通じて環境素材をファッション分野に広げる」と話す。

 テラマックは、植物由来の糖から作られるポリ乳酸を原料とするバイオマス繊維。石油由来のプラスチックと同様に溶融押し出しや射出成形ができ、自然環境下で水と二酸化炭素に分解される。ティーバッグなどの使い捨て資材やホテル向けタオル用途を中心に用いられている。

 コスト面や加水分解による強度の問題などから、衣料品分野での活用は難しい部分があったが、「アンリアレイジ」デザイナーの森永邦彦氏が同社との協業でテラマックとリサイクルポリエスエルを組み合わせた衣料品を作成。テラマックを分解し、ビンテージ感を表現するという従来にはなかった感性でモノ作りを行った。

 この衣料品は、LVMHモエ・ヘネシー・ヴィトングループが若手デザイナーを育成・支援するために創設した「LVMHヤングファッションデザイナーズプライズ」の2019年最終審査に残った。ユニチカトレーディングは「資材だけでなく、ファッション分野で活用できることが分かった」と語る。

 テラマックは、ユニチカグループの岡崎事業所(愛知県岡崎市)で紡糸する。糸種は22デシテックス(T)/1フィラメント(F)と110T/36Fがメイン(いずれも丸断面)だが、他の糸種の生産もできる。「テラマックの訴求がサステナビリティー(持続可能性)浸透の一助になればいい」と強調した。

 岡崎事業所では、環境配慮型ポリエステル素材の冠ブランド「エコフレンドリー」も生産する。細繊度糸や異型断面糸の打ち出しを可能にしているが、一層の差別化を推進。共重合設備を導入すればカチオン可染や低融点融着のリサイクルポリエステルも製造でき、技術は既に確立していると言う。

〈スポーツ向け機能素材2021春夏展を開催〉

 ユニチカトレーディングは、「ユニチカ・機能素材2021春夏素材展」を30日から11月1日まで東京港区のポリゴン青山で開催する。サステイナビリティー(持続可能性)に配慮した素材群などを重点的にプロモートし、同シーズンでは5%の増販を計画する。

 同社は21春夏に向けて、環境負荷低減に貢献する素材群、猛暑や運動時の大量発汗時に快適性を得られる高機能素材群を打ち出す。

 新たに肌面のべたつきを抑える吸汗速乾素材「ノスティ」を開発。このほか、ケミカル・マテリアルリサイクルで生産するポリエステル「エコフレンドリー」、非可食植物であるヒマ(唐胡麻)から生まれたナイロン11「キャストロン」やボタニカル撥水(はっすい)加工素材「バイオメカ」、高通気素材「フリーダム」などスポーツ素材280点、2次製品30点を出展する。