帝人フロンティア/防縮快適丸編み地を開発/スクラブ用途へ20秋冬から

2019年10月30日 (水曜日)

 帝人フロンティアは、工業洗濯に対応する防縮快適丸編み地「CFST(仮称)」を開発した。微細クリンプを持つ超かさ高加工糸の使用と編み組織の最適化、染色加工に工夫を施し、高温での洗濯や乾燥でも高い寸法安定性を発揮する。20秋冬から病院白衣(スクラブ)用途などを中心に販売する。

 ストレッチ性などを持ち、着用快適性に優れる丸編み地はユニフォーム用途でニーズが拡大しているが、スナッギングや洗濯で収縮しやすいという問題がある。介護用ユニフォームなどでは工業洗濯可能な丸編み製品も販売されているが、風合いが硬く、目付が大きい(1平方メートル当たり250グラム以上)のが難点だった。

 CFSTはそれらを解消。微細クリンプ超かさ高加工糸を染色後に膨らませて収縮の原因となる空隙を最小化するほか、ソフト風合いを併せ持つ編み地設計を確立し、編み目曲がりの原因となる潜在的ひずみを取り除く。染色加工は各工程で大きなテンションがかからないよう注意を払った。

 この結果、目付約150グラムという軽量性と柔らかさを実現し、工業洗濯10回で寸法変化率プラス3%以内を達成した。リサイクルポリエステルや部分植物由来の原料ポリエステルを使ったタイプも用意している。生地値は、アパレル入りでメートル当たり(160センチ幅)700円前後に想定。

 20秋冬向けのユニフォーム素材提案では環境対応をより重視し、バイオ由来ポリエステルを使った紡毛調生地「プラントペット ソロテックス フルフラン」、100%リサイクルポリエステルの環境対応型梳毛調生地などを投入する。これらは11月1日まで同社東京支社で開催中の「ユニフォーム部2020―21秋冬内見会」で紹介している。