丹後産地の大江/「原木染」の糸訴求に力/織布企業など3社と連携して

2019年11月06日 (水曜日)

 丹後産地の生地製造卸、大江(京都府与謝野町)は間伐材から液体を抽出して糸を染める「原木染」の拡販に臨んでいる。同社が糸染めを担当し、中外国島(愛知県一宮市)、三星グループ(岐阜県羽島市)、ダイドーフォワード(東京都千代田区)の3社が生地や製品を販売する。

 大江康夫社長によると同素材は当初、生地染めで展開していたが、素材の多様性や生地を備蓄するリスクなどを勘案し、大江では糸染めに専念することにした。糸染めは丹後織物工業組合の設備で行う。

 間伐材による染色は難しいとされるが、長年の工夫、改良によって商品化に成功した。技術の詳細は明らかにしないが、さまざまな木・チップから抽出した液で繊維を染めるうちに商品化できる種にたどり着いた。

 特徴は、糸の種類によってむら感が出ること。基本的に茶色一色だが、その濃淡で違いが出る。染まる糸はシルク、ウール、綿、麻、再生セルロースなどの天然繊維系に限られるものの、合繊との交織や生地への後加工などで変化を付けることも可能。木材を原料にしているため、天然の抗菌性や消臭性、耐光性などに優れるほか、自然なハリ・コシも出る。

 間伐材の多くは日本中で放置されたままになっており、各自治体がその利用方法に頭を悩ませている。地元の間伐材から取った液を使用することで「SDGs(持続可能な開発目標)に貢献できる」上、従来の染色と比べて大幅に染色時間も短いという。

 染め糸の販売は、以前から交流のあった中外国島、三星グループ、ダイドーフォワード向けが軸。この3社がそれぞれ織りや加工で違いを出しながら生地や製品として販売する。「ミラノ・ウニカ」や「プルミエール・ヴィジョン」といった海外展で間接的に訴求したところ反響が大きく、有名メゾンからもピックアップがあった。輸出開拓では商社との取り組みも進展中という。

 19、20の両日に東京国際フォーラムで開かれる「JFWジャパン・クリエーション」の丹後織物工業組合ブースで披露する。