ダイワボウレーヨン/綿製品をレーヨンに再生/海外ベンチャー企業と連携

2019年11月29日 (金曜日)

 ダイワボウレーヨンは、使用済みの古着や縫製工程で発生する裁断くずなど廃棄綿布・綿製品をレーヨンに再生する技術を確立した。海外のベンチャー企業との連携で実現したもので、12月5日から7日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される環境総合展「エコプロ2019」にダイワボウグループ4社で共同出展し、第1弾として廃棄デニムを原料とするレーヨンを披露する。

 レーヨンは通常、木材パルプを原料とするが、コットンリンター(綿の種子に生える短い繊維)を原料にすることが可能なように、同じセルロース繊維であるコットンを溶解・再生してレーヨンにすることは理論的には可能とされてきた。ダイワボウレーヨンはこれを応用して使用済み綿製品や綿製品の裁断くずをレーヨン原料にアップサイクルする研究を進めた。

 このほどスウェーデンのパルプ関連のベンチャー企業と連携し、使用済みジーンズやデニムの裁断くずを原料としたレーヨンの生産に成功した。スウェーデンのベンチャー企業が使用済みジーンズ製品や裁断くずを回収し、副資材など綿以外の部材の除去、脱色など前処理とパルプ化を行う。これを原料にダイワボウレーヨンがレーヨンに紡糸する。

 今後、デニム以外の綿製品のアップサイクルにも取り組む。ダイワボウレーヨンの福嶋一成社長は「まずは綿100%であるデニムをレーヨンの原料にすることができたが、繊維製品市場で圧倒的な量があるのはポリエステル綿混など。このレーヨン原料化の研究も進める」と話す。