明石SUC/学生服の魅力さらに発信/30年ぶり岡山展示会で

2019年12月09日 (月曜日)

 「学生服をもっと好きになってほしい」――。明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)は4、5日、本社のある岡山県で約30年ぶりとなる総合展示会を開いた。“青春は一瞬だ。”をテーマに制服の魅力発信、教育現場のサポートを強める。

 河合秀文社長は、30年ぶりの岡山開催の理由について「中四国の取引先に改めて取り組みを発信するほか、本社社員の一体感のさらなる向上を目指すため」と話す。

 2021年入学商戦に向けた商品やサービスを展示。制服リサイクルに向けた取り組み「リリングスクール」は、日本環境設計(東京都千代田区)の工場で制服を溶かしてポリエステル樹脂を製造、新しい制服に利用する。成長期に合わせた専用パターンを採用し裾の調整ができる中学向けブレザー「ティーン・エイジャースタイル」も提案。ボタン位置を高くすることにより、1年生の時点で大きめを購入しても胸元をすっきりと見せる。

 素材は、ポリエステル100%のストレッチ素材「シャインサージ」、ウール高混率で編み地が強い同社初のブレザー向けニット「ノビノビストロング」、口腔用の消毒薬を練り込んだ抗菌生地「むきむきムキンくん」を紹介。

 スクールスポーツではライセンスブランド「デサント」でネービー基調の新作を発表した。自社ブランド「アスリッシュ」は、ファスナーやマークで学年色の表現を提案。

 防災関連では、昨年投入した小学校向けの教材と、新たに中高向けの教材も展示。10月に名古屋で開催された防災推進国民大会でも採用が決まっている。

〈LGBTに関するセミナーも開催〉

 総合展示会に合わせ、LGBTの対応に関するセミナーも開いた。「トランスジェンダーの子どもの封じ込める体験と学校での対応」と題し、GID(性同一性障害)学会の中塚幹也理事長(岡山大学大学院保健学研究科教授)が講演。学校と生徒に求められる課題や現状を解説、多様性を考える場となった。

 中塚理事長は、LGBTの人々を受け入れる社会的動きを紹介した上で、性自認や性志向は十人十色であることから安易に一くくりにすべきてはないと説明。医療者として性転換手術など体の性を心の性に近づける取り組みも進めていると話した。最後に、周囲の対応やLGBTの人々の存在が「普通」となり認め合える社会が重要と指摘した。

 約30年ぶりに岡山県で展示会を開催した理由の一つが、LGBTへの対応の第一人者である中塚理事長が県内で活動していること。同社はLGBTに関する活動「レインボーサポート」を展開、専任スタッフを通じて心のケアやオーダーメイドの制服作りなど学校現場の課題に向き合う。こうした活動に理解を得てセミナーにつながった。