クローズアップ/帝人フロンティア 執行役員 財経本部長 池田 正宏 氏/RPAで効率化推進

2019年12月09日 (月曜日)

 業務の効率化を目指しRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入しようとする機運が大手企業を中心に強まっている。RPAにいち早く注目し導入に取り組んできた帝人フロンティアの池田執行役員にその目的、効果について聞いた。

  ――取り組みを始めたのは。

 2017年6月にRPA導入のための活動に着手しました。3月に業務プロセス改革のためのプロジェクトを立ち上げており、コンサルタント会社から薦められて、RPA導入を追加しました。効果があるのか私自身、半信半疑でしたが、デモンストレーションに参加した経理・財務部門の部下たちが口をそろえて使えそうと言っているのを聞いて即、導入を決めました。

  ――対象となった業務は。

 まず、経理・財務から始めました。RPA分科会に参加する自社のスタッフがコンサルタント会社からロボットの構築や操作運用管理方法を教えてもらいました。ロボットに簡単な作業からやらせてみたところ、問題なく処理できたため、18年1月からの正式導入に至ったわけです。

  ――その後の進展はどうなりました。

 現在、21体のロボットに経理・財務の定型作業をやらせています。9体が試運転中です。これまでに経理・財務だけで年間2400~2500時間を創出できました。現在は5千時間を目指しています。今年10月から専任の組織・RPA推進グループを立ち上げ、RPAを活用した社内業務の効率化を推進しています。

  ――かなりの効果を見込めるようですね。

 単純定型作業から人間が解放されることは働き方改革にもなります。無駄な残業を減らせますし、それ以上に少子高齢化に伴う人材不足の解消にもつながります。10月から社内キャラバンに取り組み、各部署からロボットに任せた方がいい作業を提案してもらい、その中から効果の高そうなロボットの構築、運用を進め、RPAの領域をどんどん広げていこうと思っています。今はまだ道半ばですが、経理・財務部門では着実に浸透してきました。今後、人事や総務、営業、開発などへの展開を加速し、1万時間超の時間創出を目指していきます。