上海国際不織布展が開幕/日系が機能、サステ打ち出す/各社の内販 やや鈍化

2019年12月12日 (木曜日)

 【上海支局】アジア最大級の不織布展示会「第18回上海国際不織布展(SINCE2019)」が11日、中国・上海世博展覧会で開幕した。展示面積は2017年の前回展を大きく上回る3万4千平方メートルで、国内外500社強(前回展461社)が出展。日系素材メーカー3社は、機能性やサステイナブル(持続可能な)素材を打ち出している。会期は13日まで。

 急成長してきた中国不織布市場だが、今年は景気減速を受け、日系素材メーカーの中国内販もやや鈍化している。

 ダイワボウレーヨンは、サステイナブルと生分解性をテーマに、環境負荷の少ない循環型社会に適した繊維としてレーヨンを紹介。コスメと衛生材料向けのラインアップを打ち出し、血行促進や弱酸性などの機能性を訴求する。内販は今年、用途によってまだら模様で、前年並みの売り上げになる見通し。

 東レグループは、差別化したスパンボンド不織布と、グローバル供給体制をアピールしている。メインの衛生材料とサステイナブル、メディカルの3テーマに分け、差別化品を出展。衛生材料向けでは、柔らかい風合いや低刺激性を紹介する。高機能ポリプロピレン長繊維不織布の新工場を広東省仏山市で19年に稼働予定だったが、紙おむつ市場の減速を受け、来年の稼働に延期を決めた。

 東洋紡は空気、土壌、水、熱向けの、バラエティー豊かな機能性不織布を訴求する。内販は、エアフィルターとキャビンフィルター向けが中心。地場完成車メーカー向けが多いキャビンフィルター用途は今年、新車販売低迷の影響を受けている。こうした中、土木資材向けなどの新規開拓も今後進めていく。