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クローズアップ/レンチング・ファイバーズ〈香港〉不織布事業北アジア地区 コマーシャル・ディレクター オリバー・サム 氏/消費者にも浸透へ

2019年12月17日 (火曜日)

 オーストリア・レンチングが不織布向けに新ブランド「ヴェオセル」を発表して1年強がたった。来日したレンチング・ファイバーズ〈香港〉の不織布事業北アジア地区コマーシャル・ディレクターのオリバー・サム(岑詩雅)氏にヴェオセルの現況と課題を聞いた。

  ――昨年不織布向けの新ブランド「ヴェオセル」を発表した。

 1年余りたち、信頼性のあるブランドとして浸透してきた。一方で、想定したようにスムーズでもなかった。リブランディングに伴う混乱もあった。新しい繊維になったわけではないためだが、ヴェオセルは「テンセル」リヨセルから名前が変わっただけではない。

 これまでテンセルリヨセルを50%使用していれば、テンセルという標記が可能だったが、ヴェオセルは用途によって混率は変わるものの、不織布製品になった場合、生分解性繊維100%の原材料を使ったものにしか、ヴェオセルブランドを標記できない。つまり、他素材を使う場合でも生分解性を持つコットンやレーヨンなどとの組み合わせになる。

 今後、消費者の原材料に対する目はさらに厳しくなる。その中で安心して使える信頼性のあるブランドであるということを、教育プログラムも策定しながら浸透を図ってきた。その面では理解度は高まったと思う。

 消費者は店頭でパッケージを見て情報を得ている。そこに信頼のブランドであるヴェオセルが標記されていれば、安心して購入し使える。

  ――今後の課題は何か。

 サステイナブル(持続可能な)で生分解性を持つ原材料を使うなど消費者の意識は高まっており、EUがけん引する形でサステイナブルなモノ作りは世界に広がっていくだろう。それから判断すればセルロース繊維の需要はまだまだ伸びる。

 今後はB2BからB2B2Cへと、消費者にヴェオセルを根付かせるためのプログラムを世界各国で進める。SNSも活用し直接メッセージを発信しながら、サステイナブルやヴェオセルへの理解度を高めていく。

  ――レンチングにおける不織布の位置付けは。

 不織布用は全体の約30%を占める重要な市場だ。少なくともこの比率は維持していく。