繊維ニュース

短繊維原料/科学的鑑別が焦点に/トレーサビリティーへの関心高まる

2019年12月19日 (木曜日)

 世界的にサステイナブル(持続可能な)繊維原料への要望が高まる中、糸・生地・製品でサステイナブル原料が実際に使用されているのかを確認するトレーサビリティー(追跡可能性)を確保しようとする動きが強まってきた。特に糸・生地になるまでに混綿や混紡など他素材と複合されるケースの多い短繊維でニーズが高まる。このため綿花業界や再生セルロース企業が本格的に動き始めた。科学的な鑑別技術が焦点になる。

 国際綿花評議会(CCI)は、原産地証明サービス事業を行うニュージーランド企業、オリテインとパートナーシップを結んだ。CCIが認証する上質な米綿使いの証しである「コットンUSA」マーク添付商品に実際に米綿が使用されているかを鑑別する取り組みを始めた。

 綿花など農作物には微量元素が含まれており、栽培地の土壌など環境要因によって地域ごとに“指紋”のように固有の微量元素含有パターンがある。オリテインはこれを「オリジン・フィンガープリント」と呼び、独自の科学的手法で検出して栽培地域を特定する技術を持つ。

 これを活用することで製造・流通工程のどこかでコットンUSA以外の綿花が混入・代用されていないかどうかを確認できる。CCIはオリテインと連携してコットンUSA認証の綿製品を調達しているブランドや小売業者に対してトレーサビリティー確認の科学的な仕組みを提供することを目指す。

 再生セルロース繊維メーカーではレンチングが科学的なトレーサビリティーを確保したビスコースレーヨン「レンチングエコヴェロ」を実用化している。適正な森林資源管理や環境負荷を抑えた製造プロセスで生産するレーヨンに特殊な処理を施すことで最終製品に加工後もレンチングエコヴェロが使用されていることを科学的に鑑別することができる。

 レンチングエコヴェロは日本でも採用が進んでいる。ストライプインターナショナルは「アースミュージック&エコロジー」ブランドの一部でレンチングエコヴェロを採用し、トレーサビリティーが確立したサステイナブル原料を使用していることを消費者に訴求する。

 世界的にサステイナブル原料を使用した繊維製品のニーズが高まる中、アパレル・小売業者には責任ある調達・購入への要求が高まることが予想される。そうした中で、科学的な鑑別テクノロジーを導入した繊維原料への注目が一段と高まりそうだ。