カケン/環境化学分析ラボを開設/RSLに基づく試験を

2019年12月20日 (金曜日)

 カケンテストセンター(カケン)は2020年1月29日、神戸市東灘区に「環境化学分析ラボ」(高嶋恒男ラボ長)を開設する。大阪事業所の分析ラボを移転拡張したもので、衣料品の有害化学物質試験についてはほぼ実施可能。18年11月に加盟したZDHC(環境系への有害化学物質の排出ゼロを目指す企業連合)のMRSL(製造時制限物質リスト)の試験業務、排水試験業務の実施も目指す。

 カケンはこれまで、有害化学物質の試験は海外検査機関に依存してきたが、スピーディーな対応、日本語でやり取りができるように、大阪事業所の分析ラボを移転拡張し、環境化学分析ラボとして新たに業務を開始する。

 六価クロム、フタル酸エステル類、重金属溶出試験などニーズの多い試験も実施する。「各社のリストリクテッド・サブスタンスズ・リスト(RSL=制限物質リスト)に基づいた試験などに対応」していく。繊維以外のプラスチックや薬剤、加工剤メーカーなどにも応じる。新ラボのスペースは約1150平方㍍。

 カケンは18年10月に米国に本部を置き、世界中の水・土壌・大気・人間に対して繊維産業の影響軽減を目的にする「テキスタイルエクスチェンジ」にも加盟した。「欧州は化学分析試験など目に見えないものに投資する。海外販売でも、顧客から各国の規制が分かりにくいと相談がある。加盟により情報を得られる」と、サステイナブル(持続可能な)関連の試験を強化している。