ユニチカ「テラマック」/技術生かせる分野に集中/問い合わせが増える中で

2020年01月09日 (木曜日)

 ユニチカはポリ乳酸(PLA)素材「テラマック」で「技術力が生き、付加価値が認められる用途に力を入れる」(技術開発企画室の岡本昌司サステナブルス推進グループ長兼テラマック推進グループ長)方針だ。

 PLAは植物由来のバイオマスプラスチックで、自然環境下で水と二酸化炭素に分解される生分解性を持つ。PLAを原料とするテラマックは繊維、スパンボンド不織布(SB)、樹脂を生産するが、サステイナビリティー(持続可能性)への関心が高まる中で「今夏から問い合わせ、引き合いが増加している」と言う。

 その中で特に技術力が生き、他社が少ない繊維、SBの高付加価値品に力を入れる。

 テラマックの主力は繊維で、販売量の80%を占める。ティーバッグ用のモノフィラメントが多く、コンポスト(有機物を微生物の働きで分解させて堆肥にする処理)可能な点が欧州で評価される。その他、繊維ではフィルターやマスク、ボディータオル、水切り袋などの生活雑貨に採用されている。

 SBは土木資材などを中心に販売するが「脱プラスチック、ゴミ問題などから使い捨てが多い不織布は環境に優しいものが求められ始めている」として、まだまだ量的には小さいSBの拡大にも期待する。