帝人フロンティア/海外スポーツさらに拡大/東南ア縫製への対応課題

2020年01月10日 (金曜日)

 帝人フロンティアの衣料繊維第一部門は引き続き海外販売を強化する。同部門は糸、テキスタイルやスポーツウエアOEMなどを手掛けるが、糸、テキスタイルの25%が海外販売。中国の南通帝人、タイのタイ・ナムシリ・インターテックス(TNI)など海外拠点による販売を含めると50%強になる。

 海外販売の主力はスポーツウエア向け。鈴木哲志取締役常務執行役員衣料繊維第一部門長は「国内販売に閉塞感がある中で、海外販売は極めて重要」と話す。2017年度から19年度までの現・中期計画ではグローバルメガブランド向けを主力に海外販売は16年度比60%増になった。商品開発力と日・中・タイ3極での供給体制が奏功したと言う。

 2020年度(20年4月~)からの新中期計画でも海外販売を拡大する。そのためにグローバルメガブランドの東南アジア縫製シフトへの対応、新素材の開発、QR対応、環境対応などを課題に挙げる。東南アジア縫製への対応はTNIでの増強に加え、インドネシアで行う編み立て外注工場への出資なども検討。将来的にはインドネシアでの織布、染色企業への出資も視野に入れる。

 「グローバルメガブランドの日本製テキスタイルへの評価は高いが、納期も含めて総合評価する」と指摘。QRを強化するため、ベターゾーン向けで中国、東南アジアでの供給体制を拡充し、国内生産品は開発品に重点を置く。

 環境対応で先行する同社はスポーツウエア向けテキスタイルの30%が再生ポリエステル繊維「エコペット」使いなどの環境対応品。エコペットは今年25周年を迎えるが、早くから手掛けてきた「信頼感と豊富な品種」を武器にさらに強化する。