副資材メーカーや商社/受注でデジタル活用/広がるオンライン化の波

2020年01月20日 (月曜日)

 アパレル業界にとってデジタル技術の導入が喫緊の課題とされる状況を受け、関連が深い副資材のメーカーや商社からもデジタル化の動きが見られるようになった。商品の種類が細かく分かれる副資材は、受注業務も煩雑になりがち。オンライン化で効率性向上を目指す企業の実情を探った。(強田裕史)

 テンタック(東京都新宿区)は、織りネームやタグを主力とする大手製造卸で、RFID(無線通信による商品の個別管理システム)の普及にも力を注ぐ。国内にとどまらず、中国、タイ、ベトナムでも工場を操業する。

 国内外で製造する副資材の情報は、自社のデータセンターで一元管理する。受注商品のデータは専用サイトに掲載し、発注元のアパレルや商社だけでなく、同社の工場や加工委託する縫製工場も、ネームやタグに印字された内容などの情報を共有できるようにしている。

 受注のデジタル化は当初、顧客の発注システムに自社の受注管理システムを組み込む「カスタマイズ」を中心に進めていた。近年は同社の専用サイトに顧客がアクセスする手法を推奨している。

 担当者は「出荷までの過程を見える化したことで、顧客からの問い合わせが激減した」と効果を示しながら、「海外のサプライヤーには既に当たり前のこと」と指摘する。

 ハンガーなどを製造・販売する日本コパック(東京都台東区)は1月中にも、商品の受注システムの試用を開始する。

 利用者は登録したログインIDとパスワードを使って専用サイトにアクセスする。注文の情報はデータ化し、保存して一元管理する仕組み。

 これまでファクスで受けていた注文をオンラインに切り替える構想は、2019年内にも実現させる計画だった。しかし、複雑な商流が障壁となり、取り組みに遅れが生じた。「企業グループの中で発注者と支払者が分かれている顧客もある。この状況で新しい手段を導入するのは予想以上に困難だ」と担当者は言う。

 それでも、デジタル化には大きなメリットがあると強調する。「人手不足や環境の問題の解消につながる。時代に乗り遅れるわけにはいかない」。

 副資材専門商社のオークラ商事(東京都千代田区)は、B2B向けEC(電子商取引)サイト「アパレルX」を自社開発し、18年春から運用している。現在、出品数は約7千点、登録者数も2400社近くに達している。

 アパレルXは、単価、納期、色、サイズを即時に確認できるよう設計してあるのが特徴。SKU管理にも対応する。

 着実に実績を重ね、担当者は「新規事業としては成功している」と自信を見せる。一方で、「既存の大口顧客には、顔を合わせた付き合いの方がうまくいく場合もあり、必ずしも全てをデジタル化する必要はない。対面を重視する従来の営業と、デジタル活用の両輪で事業を展開するのが理想的」と冷静に語る。

 身の丈に合った業務改善の手段として向き合えば、デジタル化のハードルは思いのほか高くないのかもしれない。