A+A2019 ユニフォーム2.0の時代へ(5)/女性の心をつかむ

2019年11月25日 (月曜日)

 「A+A2019」では意外にもデニムがトレンドの兆しを見せていた。ドイツのグライフはデニム調生地を使いシェフが着用するウエアを開発した。これまで白か黒の生地使いが多かったが、「ミシュランに載るようなレストランのシェフはテレビに出ることが増えているからね」と販売責任者のダニエル・クロフ氏。「キッチンの仕事着もだんだんおしゃれになっている」

 その言葉を裏付ける動きがある。パキスタンのデニムメーカー、ナビーナデニムは今回初めてA+Aに出展した。常務のラシッド・イクバル氏は「予想以上にユニフォームでデニムの需要が増えている」とやや興奮気味に話す。フランスの飲食店向けユニフォームメーカーとの取引が早速決まったと言う。

 ダッシーはデニムのワークパンツとして、マルチポケットと膝ポケットを備えた「メルボルン」と、シンプルなカーゴタイプの「大阪」を開発。綿89・5%・ポリウレタン10・5%の9・5オンスのデニムを使い、ストレッチが効いて非常にはき心地が良い。

 一方でダッシーは来年から女性向けのコレクションも充実。日本でも女性の社会進出に伴い、メーカーがレディース企画を強化しつつあるが、欧州でもその流れが強まっている。

 ヘリーハンセンは20春夏からワークウエアでレディースコレクションを投入。開発部マネージャーのジョセフィン・サンデルセン氏は、「これまでのようなメンズのダウンスケールでなく、女性の体形に沿ったパターンを取り入れた」と話す。

 単に女性パターンを取り入れるだけでなく、より細かく体形に沿ったウエアの開発も進む。マスコットは「アクセレレート」シリーズで、レディースの専用パターンを使ったウエアを開発した。パンツで女性の体形に合わせ、ダイヤモンドとパールという2種類のパターンを用意。ヒップとウエストの測定値の差が20㌢未満であればパール、20㌢以上であればダイヤモンドを選べば適したフィット感が得られる。

 BP社は、メディカル・ケア(介護)ウエアで「誰もが違う」をテーマに五つのフィット感に沿ったパンツを開発。“モダンフィット”は独自のジョギングパンツのようなスタイルで、ハイウエストでひも付きのニット製弾性ウエストバンドによってきつく締めなくてもずれにくく、動きやすい。女性の心をつかむ商品開発が今後の成長の鍵を握りそうだ。