山陽染工/製品ブランド事業に注力/技術力生かし市場開拓へ

2020年01月27日 (月曜日)

 染色加工の山陽染工(広島県福山市)は、自社製品ブランド「バッセンワークス」の商品拡充を図るとともに、展示会などを通じた技術力の発信に力を入れる。

 バッセンワークスは、部分的に色の抜け具合を変えることで濃淡を表現する独自技術の段落ち抜染を生かした商品ブランド。2018年に、クラウドファンディング(CF)を通じて段落ち抜染のスニーカーを発売して以降、抜染のデニムと帆布製造のタケヤリ(岡山県倉敷市)の帆布を組み合わせたトートバッグなどの商品を開発してきた。

 昨年10月には、グループ会社の中国紡織(福山市)が製造する、調温素材「アウトラスト」使いのデニムに段落ち抜染を施したジャケットとパンツを、CFを活用し発売。50万円の目標額を大きく上回る約365万円の支援を集めるなど好評だった。

 CFについて戸板一平取締役は「テストマーケティングができるほか、集まった情報を、本業の染色加工においてアパレルメーカーへの提案時に活用できる」と指摘。「今後も1シーズンに1回はCFを活用して新商品を打ち出したい」と話す。

 また、昨年夏に立ち上げたブランドの通販サイトを強化するとともに、製品ブランド事業部の立ち上げも計画する。現在、リアル店舗での取り扱いは、福山の産地ブランド「ザ・フラッグ・シップス」の常設店のみだが、「福山市外の常設店での販売を目指して営業を進める」。

 販路開拓に向けて、昨年初出展したイタリアの国際生地見本市「ミラノ・ウニカ」へ今年も出展する。段落ち抜染を中心に、薬品や水の使用量を削減し、落ち感を表現した「ビギー加工」など、環境に配慮した加工も披露する。前回は初出展ということもあり、「商品の特徴を伝え切れないなど反省するべきところがあった」が、「反省点を踏まえ、1年間準備してきた。結果を出していきたい」と戸板取締役は意気込む。

 サステイナビリティー(持続可能性)を見据え、昨年の秋に汚泥を削減する排水装置を導入。現在は試験運転中だが、稼働状況を見ながら、将来的には排水を再利用できるシステムの導入も見込む。

〈刺し子の藍染めジャケット発売〉

 山陽染工はこのほど、クラウドファンディング(CF)サイト「マクアケ」を活用し、刺し子の藍染めジャケットを発売した。

 生地には、グループ会社の中国紡織(同)で製造する刺し子風デニムを採用。高い耐久性を備えた重厚感のあるジャケットに仕上げたほか、生地には洗い加工を施し、ビンテージ感も演出した。併せて、部分的に色の落ち具合を変えることで濃淡を表現する独自技術、段落ち抜染で同生地に迷彩柄を表現したジャケットと、ジャケットとのセット購入限定で迷彩柄のシューズも用意した。

 同商品は、縫製・洋装販売のヌーストーリー(福山市)が仕立て、洗い加工の四川(同)が加工。目標金額の30万円は既に達成したが、2月10日まで、マクアケで出資を募る。

 定価はジャケットが3万5千円、ジャケットとスニーカーのセットが5万1500円、通常タイプのジャケットと迷彩柄ジャケットのセットが7万円。ジャケットのサイズはSからLL、シューズは25・5、26・5、27・5㌢の3サイズをそろえた。CFでの出資者には最大10~22%の割引価格で提供する。