帝人/独に複合成形材料の新拠点/デザイン・設計など担う

2020年01月29日 (水曜日)

 帝人は、自動車向け複合成形材料のデザイン・設計やプロトタイプ試作などを行うテクニカルセンターを、ドイツ・ブッパタール市に立ち上げる。自動運転や電動化など、自動車が大きく変化する中、多様な機能を持つ拠点を設けて従来以上にスピードのあるソリューション提案につなげる。設立は2月を予定。

 新拠点の名称は「テイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)」。自動車向け複合成形材料や部品に関するデザイン・設計、試作、評価を担うほか、調査・マーケティング、新技術探索、M&A(企業の合併と買収)なども行う。設立に伴う設備投資額は非公表。

 人員について複合成形材料事業本部は「大人数でのスタートではない」とした上で、「欧州にいる帝人グループの従業員を活用するほか、新規採用も検討」する。また「自動車業界で経験を積んだ人を積極採用しており、そうした人たちにも参加してもらう」と話した。

 帝人は複合材料を含むマルチマテリアルによる自動車メーカーの部品供給パートナーを目指し、2017年に米国のコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス社を買収。欧州ではCSPヨーロッパでの工場新設、ポルトガルとチェコの会社を傘下に収めるなど複合成形材料事業の世界展開を進めてきた。

 TACEはこれらの欧州の各拠点との連携体制を作る。各拠点が個別に進めてきた取り組みだけでなく、データ解析などにまで踏み込んだ高度な役割を担うことで、次世代自動車に向けたマルチマテリアルでのソリューション提案を強める。

 将来はマーケティング、新技術やM&Aの可能性に関する調査などの機能を整備することで、欧州自動車メーカーとの取り組みを加速する。これらの機能を北米や中国にも展開し、グローバル・ソリューション・プロバイダーとしての地位をより強固にする。