カケン/有害化学物質分析に力/環境化学分析ラボ新設で

2020年01月31日 (金曜日)

 カケンテストセンター(カケン)は29日、環境化学分析ラボ(神戸市)の開設披露会を開いた。素材メーカー、商社、アパレルなど50人強が参加し、現時点でほとんどの有害化学物質の分析が可能になったことへの説明や、「今後はZDHC(環境系への有害化学物質の排出ゼロを目指す企業連合)のMRSL(製造時制限物質リスト)の試験業務の実施を目指す」という同ラボの開設趣旨に聞き入った。

 新設したラボは大阪事業所の分析ラボを移転拡張したもので、衣料品に関する有害化学物質の分析試験のほとんどが可能。衣料品以外のプラスチック製品や日用品の依頼にも応じる。

 SDGs(持続可能な開発目標)への対応が全世界的に進む中で、有害化学物質の分析評価が「避けて通れないミッション」になっており、対応した。これまでは提携する海外検査機関に依頼してきた同分析試験を「国内で、しかも高いレベルでこなす施設が必要」と判断、新設に至った。

 カケンは2018年11月にZDHCに加盟している。その流れの中で、「消費者と(有害化学物質を)廃棄した後の環境を守る」ためのRSL(制限物質リスト)への対応を進めている。今後はこれに加えて「製造従事者も守る」より広範なMRSLへの対応を目指す。

 主な試験設備は、ガスクロマトグラフ質量分析装置、液体クロマトグラフ質量分析装置、誘導結合プラズマ発行分光分析装置、超音波抽出装置、マイクロ波試料分解装置など。