帝人、新中計を発表/EBITDA1500億円/成長基盤の確立を

2020年02月06日 (木曜日)

 帝人は5日、中期経営計画2020―2022「ALWAYS EVOLVING」を都内で発表した。ROE(自己資本利益率)10%以上(19年度8%見通し)、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)1500億円(1080億円)を目標に掲げ、設備投資+M&Aに3500億円(現中計約2400億円)を投入する。鈴木純社長は「成長基盤確立のステージ」と位置付け、収益はマテリアル事業領域が主にけん引する。

 現中計はEBITDAが1080億円にとどまる見通しで、ヘルスケアで大型M&Aの計画が未達だった。マテリアルは自動車向け複合成形材料事業が順調に拡大するも、米中貿易摩擦などの影響で収益改善が課題となった。

 新中計は3500億円の投資のうち、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」の三つのソリューションに重点投資する。全投資の85%を占める。事業分野を「ストラテジックフォーカス」(将来の収益源育成)と「プロフィタブルグロース」(利益ある成長)に大別し、ストラテジックフォーカスに積極投資。自動車向け複合成形材料、航空機向け炭素繊維中間材料などだ。

 環境負荷低減の長期目標も発表した。CO2排出量は30年度に18年度比20%削減、50年度は実質ゼロを実現する。水使用量も30年度に30%改善、有害物質も20%改善する。

 繊維・製品については成長領域(モビリティ、環境、インフラなど)でマーケットを拡大、センシング技術を中心としたウエアラブル素材開発などの取り組みを強化。不採算分野は基礎収益力の底上げを図る。