横浜で震災対策技術展/水害対策製品増える/回を重ねて商品進化も

2020年02月10日 (月曜日)

 「第24回震災対策技術展」が7日まで、パシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された。183団体・企業が約千品目の災害を教訓とした地震・豪雨・気象災害製品、電力対策、災害対策製品などを紹介。昨年は台風19号など甚大な被害があり、今回は水害対策関連の出品が目立った。

 繊維関連では東レ合繊クラスターが高視認ウエアやポンチョを提案。特に平時から着用できるリバーシブルタイプの避難・誘導ビズベストは、「昨年も出品したが、価格やロットが課題となった。1年かけて改良を加えた」自信作に仕上がった。表は普通のベストだが、裏は蛍光色と再起反射材を使用。非常時に裏返し、誘導員役を担う。

 前回は2枚の生地をボンディングしたが、今回の織物は後染め、丸編みは原着か、先染めで1枚仕立てにすることで、「価格は半額。ロットもミニマムロット100着を、バイオーダーで20着にした」という。

 帝人フロンティアは、建物内安全、BCP、備蓄、水防対策の「まるごと防災」を今年も紹介した。水害については、水電池利用による水位警報システムを提案したほか、軽量止水板「フラッドセーフライト」を出品した。地下駐車場や家の玄関などで、女性やお年寄りでも設置できる。浸水深さ50センチまで対応する。カーテンで初期消火するという新しい発想の「プルシェルター」は、アラミド繊維と難燃アクリルを組み合わせたもの。一瞬でカーテンを外せるカーテンフック「プルック」も開発した。

 三菱ケミカルホールディングスグループは、災害拠点病院や介護施設の給水設備強化を勧める。地下水ろ過膜システム、耐震性貯水漕、非常用自家発電機、5年保存水など。「受水槽や地下水設備は約6割のシェア」を誇る。

 ユニフォームのダイイチはこれまで高視認性安全服を打ち出していたが、今回は新しい停電対策として非常用電源「ディアライフ」を中心に展示。ポータブル型で、家庭用コンセントで充電可能。地震だけでなく、異常気象対策が関心を集めていた。