合繊メーカー 4~12月期連結/減速傾向が鮮明に/繊維も基調は減益に

2020年02月14日 (金曜日)

 合繊メーカーの2019年4~12月期連結決算が出そろった。決算期の異なるクラレを含む6社中5社が減収、4社が営業減益と米中貿易摩擦や暖冬による消費不振の影響などで苦戦の度合いが深まってきた。新型肺炎の影響に対する懸念も強まっており、東レ、旭化成、クラレが期末の業績を下方修正した。

 東レは主要5部門中4部門が減収。繊維では本体が31・3%の減益と苦戦が目立つ。炭素繊維複合材料は航空機向けの拡大、環境・エネルギー関連の好調、スポーツの回復で増収・大幅増益となった。

 旭化成は住宅、建材が増収だったもののパフォーマンスプロダクツ(PP)などの3部門が減収。PPに含まれる繊維では、各繊維製品の販売量が減少した。

 帝人はマテリアルで前年並みの営業利益を確保。繊維・製品は微減収だったが、複合成形材料事業ほかが10・1%の増収と好調を維持した。

 東洋紡は売上総利益率を0・8ポイント改善し営業増益を達成したが、産業マテリアルで大幅減益、繊維・商事で赤字計上を強いられた。

 ユニチカは機能材が増収、高分子、繊維は減収。繊維では、産業繊維、衣料繊維の苦戦で営業損失が拡大した。

 クラレは繊維で増収を確保したものの営業減益となった。クラレトレーディングのスポーツは堅調だった。